スニーカーをプレゼントしたのに、「外反母趾が痛い」と言われ、結局買い換えることになってしまった。そんな経験はないだろうか。筆者の嫁さんもその一人で、デザインや機能性に優れたスニーカーを選んだつもりが、履いた瞬間「痛い」と一言。どうやら横幅が狭すぎたらしい。
確かに横幅の広いスニーカーが存在するのは知っていたが、それらはほとんどがシニア向けのウォーキングシューズで、正直なところデザイン的にイマイチなものばかりだった。実際に嫁さんにいくつか写真を見てもらったが「ばあばが履いている靴と似ててイヤだ」と言われてしまった。たしかにそうだろう。
せっかくのスニーカー選びなのに、外反母趾の人にとってはお洒落デザインと履きやすさを両立するのがこんなに難しいとは思わなかった。しかし嫁さんは困っているのでどうにかしなければ男が廃る。これをきっかけに、横幅の広いスニーカーについて本気で調べることになった。
結論から言うと、嫁さん用の横幅の広いスニーカーとして、ニューバランスWW880TB6(Fresh Foam Walking 880)を購入した。
外反母趾の嫁さんにとって、なぜこのスニーカーがよかったのか、簡単に紐解きたい。
市販の靴では足が痛くなる「外反母趾(がいはんぼし)」とは
外反母趾とは、足の親指部分の関節が突出してしまう症状のことを指す。主な原因は、合わない靴の使用や遺伝的要因とされており、特に女性に多く見られる。ハイヒールや細身の靴を日常的に履くことで、親指の付け根に圧力がかかり、次第に骨の変形が進行してしまうのだ。
症状が進行すると、靴を履くたびに親指の関節部分が圧迫され、痛みを感じるようになる。軽度のうちは違和感程度で済むが、重症化すると歩行にも支障をきたすことがある。外反母趾の人が一般的なスニーカーを履くと、狭い横幅が足を締め付け、痛みを感じやすい。したがって、足に合ったスニーカー選びが重要となる。
外反母趾の人が困る靴選び
外反母趾の人が靴選びに苦労する最大の理由は、通常のスニーカーが横幅の狭い作りになっていることにある。特に海外ブランドのスニーカーは欧米人の足型に合わせて作られており、基本的に横幅の広い日本人の足にはフィットしにくい。足の横幅が広い人や外反母趾の人がそういった靴を履くと、圧迫されて痛みが生じるだけでなく、症状を悪化させる可能性すらあるのだ。
そこで重要になるのが「ワイドサイズ」のスニーカー選びだ。ワイドサイズの靴は、一般的なスニーカーに比べて足の横幅に余裕があり、指が圧迫されにくい。特に、日本人向けに設計されたブランドや、複数の横幅サイズを展開しているメーカーを選ぶことが、快適な履き心地を得るポイントとなる。
靴の横幅サイズにあるDや2Eなどの意味

表記はメーカーにより異なるが横幅サイズの規定が存在する Via:https://shop.newbalance.jp/guide-sizechart.html
靴の横幅サイズは、主にD、2E、3E、4Eなどの表記で示される。一般的にDサイズは標準幅とされ、欧米や日本の多くの靴がこのサイズに該当する。ただし同じDサイズであっても、筆者の経験上、アディダス→ナイキ→ニューバランスで横幅が広くなるような傾向がみられる。
一方、「ワイドサイズ」として売られている靴でみられる2Eは標準よりやや幅広で、足に余裕を求める人向けのサイズとなる。さらに、3Eや4Eはより広い足型や、外反母趾などで足への圧迫を軽減したい人に適している。これらの表記は、各メーカーやモデルなどによって多少の違いがあるが、基本的には足の幅に応じた快適なフィット感を提供するための指標である。
購入の前には、単に数字やアルファベットだけで判断するのではなく、実際に試着し、足先や甲部分に十分な余裕があるかどうかを確認することが重要だ。特に、長時間の歩行やスポーツ時には、適切な横幅サイズを選ぶことが、足への負担軽減と快適な履き心地に直結する。
なお、多くのスニーカーは、足の甲にあたるツバの裏側に商品名やサイズが書かれており、ワイドサイズの場合はここに2Eや3Eなども併記されている(Dは書かれていないことが多い)。スニーカーの試し履きをする際にはここもチェックしてほしい。

実際に購入したスニーカーのツバの写真。左上に「2E」と書かれているのがわかる。
以上の理由から、2E以上のレパートリーがある大手有名メーカーのスニーカーを探してみた。嫁さんの足が小さく、流通数の少ない23cmサイズであったことも大手メーカー品でなければならない理由のひとつでもあった。
かつ、試し履きもしたいし今後のこともあるので、ABCマートや靴の量販店で誰でも買えるようなナイキやアディダスなどのナショナルメーカーを中心に探してみたのだ。
結論的には、若い女性でもカジュアルに履け、かつ日本全国どこでも買える2E以上のワイドサイズスニーカーは、ニューバランスしかなかったのだ。
スニーカーメーカー「ニューバランス(New Balance)」とは
ニューバランスは、1906年にアメリカで創業された老舗シューズメーカーで、当初は足の健康を考慮した靴作りに取り組んできた。創業以来、履き心地と機能性を追求し、特にワイドサイズのラインナップに定評がある。日本市場にも早くから進出し、日本人の足型に合ったモデルを多数展開している。
実際、ニューバランスのスニーカーは、シンプルで飽きのこないデザインと、幅広のサイズ設定により、外反母趾の人や足に余裕を求める層から高い支持を受けている。さらに、最新のクッショニング技術や軽量素材を取り入れることで、快適な歩行やスポーツシーンでのパフォーマンス向上にも寄与している。こうした点から、ニューバランスは機能性とデザイン性の両立を図りつつ、国内外で確固たる地位を築いているブランドとして、足に合ったスニーカーを求める多くの消費者に選ばれている。
ニューバランスの幅広スニーカーを購入した結果
上記を踏まえ、カジュアルに履ける幅広スニーカーを都内のABCマートなどで探した結果、やはり事前調査したとおりニューバランスWW880TB6(Fresh Foam Walking 880)を購入した。
けっこう重度の外反母趾である嫁さんにとって「2E」で問題ないかが大変気になった。もちろん試着をしてみたが、嫁さん曰く「まるで違う。これなら大丈夫」とのことだった。ニューバランスではほかにも2Eの幅広スニーカーが複数販売されていたが、もっとも無難でデザイン的に使いやすいこちらにしたようだ。なお、色はピンクもあったが服に合わせやすいライトベージュにした。
※WW880など「2E」があるスニーカーでも、横幅が普通の「D」のバリエーションも存在するため、サイズ選びの際には注意してほしい。

ニューバランス公式ショップサイトより引用
見た目は本当に普通のスニーカーで、カテゴリー的にはウォーキングシューズ。後日談としても、数日使ってみての感想を嫁さんから聞いてみたら「柔らかすぎず固すぎずちょうど良い」「足がぜんぜん痛くない」「滑りにくくて安心」と大絶賛。筆者もひと安心であった。
このようにネットショップでスニーカーを購入する場合、特に今回のように「横幅が問題ないかどうか」を知りたい場合、近くに靴の量販店があれば試着ができるのだが、時間がなくて店舗に行けない人も多いはずだ。しかし一般的なネットショップで買ってもし返品を断られたらと不安になるだろう。
しかし、Amazon Fashionなら、試着後も最大30日間返品可能で、返品・返送料も0円というシステムがあるため、あまり遠慮せずに試すことができる(条件あり、一部出品者は除く)。ぜひ試してみてほしい。