「ハイレゾ音源を楽しみたいけど、AndroidとiPhoneどっちを選べばいいの?」と悩んでいませんか?
スマホで高音質の音楽を聴きたいけれど、どちらのOSがハイレゾ再生に向いているのか、さらにスマホ以外に何か必要なものがあるのか、特に初心者にとっては分かりづらいことも多いですよね。
この疑問を解消するために、AndroidとiPhoneそれぞれの特徴や違い、ハイレゾ音源を再生するために必要な機器について、分かりやすく解説します。この記事を読めば、自分に最適なデバイスとセットアップが見つかるはずです!
ハイレゾ音源とは? – サブスク音楽配信における高音質の基準
そもそもハイレゾ音源とは「High-Resolution Audio」の略で、CD音質を超える高解像度の音源を指します。
具体的には、ハイレゾ音源は通常96kHz/24bitや192kHz/24bitといったサンプリング周波数・ビット深度を持ち、従来のCD音質(44.1kHz/16bit)を上回る音の情報量を含んでいます。これにより、楽器の微細な響きや空間表現など、より繊細で臨場感のある音を再現することができます。
情報量の差がどれくらいかというと、たとえば16bitと24bitを単純比較した場合、24bitは16bitの256倍もの高解像度となります。これが「ハイレゾ音源は高音質だ」と言われる所以です。
サブスク音楽配信サービスでも、Spotify、Apple Music、Amazon Musicなどがハイレゾ音源に対応し、従来の圧縮音源ではなく、高音質のストリーミングが可能となっています。しかし、高音質での再生には、対応デバイスやオーディオ機器が必要です。
ここでは、AndroidとiPhoneの2つのOSにおけるハイレゾ再生の違いを具体的に見ていきます。特に、サンプリング周波数や外部DACの必要性に焦点を当て、どちらがハイレゾ音源を楽しむのに適しているかを比較します。
Androidの強み:単体で192kHz/24bit再生に対応した高音質環境
Androidは、ハイレゾ再生において非常に優れた環境を提供しています。多くのAndroidデバイスは、単体で192kHz/24bitまでの高解像度音源を再生することが可能です。
特にSONYの「Xperia」シリーズやSamsungの「Galaxy」シリーズなどは、内部にハイレゾ対応DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)を搭載しているため、外部DACなしでもハイレゾ音源をフルに楽しむことができます。
サンプリング周波数においても、192kHz/24bit対応の音源をそのまま再生できるため、音楽のディテールを損なうことなく忠実に再生可能です。ハイレゾの高解像度音源は、例えば楽器の微妙な音の立ち上がりや、録音時の空気感まで再現することができ、特にクラシックやジャズなどの音楽ジャンルでその効果が顕著に現れます。
さらに、AndroidデバイスはBluetooth経由でも高音質を維持するための高性能コーデックに対応しています。
代表的なコーデックとして「LDAC」や「aptX HD」があり、特にLDACは最大990kbpsの転送速度を実現し、Bluetooth経由でもほぼハイレゾ音源に近い品質を保つことができます。これにより、無線でも高音質な音楽体験を楽しむことができ、LDAC対応のBluetoothイヤホンやヘッドホンを使用することで、ケーブルなしでも高音質再生が可能です。
一方で、カスタマイズ性の高さもAndroidの魅力の一つです。
外部DACやポータブルアンプといったオーディオ機器を組み合わせることで、さらに音質を向上させることが可能です。例えば、USB Type-C接続の外部DACを使用すれば、音質がさらにクリアで豊かになり、物理的な制限を超えた高品質なサウンドが楽しめます。これにより、オーディオマニアにとってAndroidは、柔軟性の高い音楽再生環境を提供するデバイスと言えます。
iPhoneの制約と強み:外部DACが必要な高音質再生
iPhoneはそのシンプルさと使いやすさが大きな特徴ですが、ハイレゾ再生においては制約があります。
まず、iPhoneにはイヤホンジャックがなく、外部DACを使用しない限り、ハイレゾ音源(特に192kHz/24bit)をフルに再生することができません。iPhoneに標準で搭載されているDACは96kHz/24bitまでの対応に限られており、192kHz/24bitなどの高解像度音源を再生するためには、必ず外部DACが必要です。
たとえば、USB-CまたはLightning端子に接続できる外部DACを利用することで、iPhoneでも192kHz/24bitのハイレゾ音源を楽しむことが可能になります。ハイレゾ対応のDACを接続することで、サンプリング周波数やビット深度を最大限に活かした高音質再生が可能です。
Apple Musicを例に挙げると、同サービスは「Apple Digital Masters」としてハイレゾに対応した音源を提供しています。96kHz/24bitまでの音源は外部DACなしでも再生可能ですが、それ以上の解像度を求める場合、特に192kHz/24bitを再生したい場合には、必ずハイレゾ対応のDACが必要です。この点で、iPhoneはAndroidと比べると単体でのハイレゾ再生に制約があると言えるでしょう。
たとえば以下のようなドングルDACをiPhoneとケーブル接続すれば、iPhoneでも192kHz/24bitなどハイレゾ音源を楽しむことが可能です。
また、iPhoneのもう一つの制約は、Bluetooth接続における対応コーデックの違いです。
iPhoneは「AAC」コーデックを採用しており、音質面ではAndroidのLDACやaptX HDと比べると劣ります。AACは圧縮効率が高い一方で、ハイレゾ音源の豊かなディテールを完全に伝えきれないため、無線でのハイレゾ再生を求めるユーザーにとっては不向きです。このため、iPhoneでハイレゾを楽しむには、基本的には有線接続または外部DAC(有線または無線)の使用が推奨されます。
たとえば以下のようなドングルDACをiPhoneとケーブル接続すれば、iPhoneでもLDACなどの高音質コーデックでBluetoothイヤホンなどを楽しむことが可能です。
一方で、iPhoneにはApple独自のエコシステムによる強みもあります。たとえば、AirPlay2などのワイヤレスオーディオシステムを利用することで、無線でも高品質な音楽を再生することができます。また、AirPods シリーズやApple WatchなどのApple製品と組み合わせることで、直感的な操作と快適なリスニング体験を得ることができ、音質も一定のレベルで満足できるものとなっています。
結論:ハイレゾ再生に適しているのはどちらのスマホOSか?
AndroidとiPhoneのどちらがハイレゾ再生に適しているかは、音楽体験におけるニーズによって異なります。
Androidは、単体で192kHz/24bitの高解像度音源に対応しており、外部DACを必要とせずに高音質を楽しむことができる点で、ハイレゾ再生において非常に優れています。また、BluetoothコーデックのLDACやaptX HD対応機器と組み合わせることで、ワイヤレスでもほぼハイレゾに近い音質を体験できるため、よりカスタマイズ性と自由度が高い環境を求めるユーザーには最適な選択です。
一方、iPhoneはシンプルな操作性と安定したAppleのエコシステム、つまり利便性の高さが魅力ですが、192kHz/24bitのハイレゾ再生には外部DACが必須です。また、無線でのハイレゾ再生においてはAACコーデックの制約があり、音質面ではAndroidに一歩譲る点があります。LDACなどの高音質コーデック対応のBluetoothイヤホンを使いたい場合などは、Bluetooth対応の外部DACをiPhoneへ接続して使う必要があります。
しかし、Apple MusicやAirPlay2を使用した安定した再生環境や、Apple製品との統合された使いやすさを重視する場合、iPhoneも選択肢として十分に魅力的です。
つまり、高音質にこだわるならAndroid、利便性の高さやApple製品連携にこだわるならiPhoneである、とまとめることはできます。実際にはライフスタイルにあわせて選んでいきたいですね。