情報セキュリティマネジメント試験をCBT方式で初めて受験してみた

IT業界で働いているからには、何か恥ずかしくない情報処理系の資格を取得しておきたいな

情報処理系の試験って年に2回しかないよね?思い立ったらすぐ受けられるのってないのかな?

どちらも叶える資格がありました。「基本情報技術者(FE)」と「情報セキュリティマネジメント(SG)」です。これらはCBT方式の試験に対応していて、年中受験ができると分かりました。

でも思いました。

CBT試験って、どうやって受験したらいいの?従来の筆記試験と何が違うの?

そう。そもそもCBT方式の試験がわからないので困ったもんです。

このうち、「情報セキュリティマネジメント(SG)」をCBTで受験してきましたので、試験の申込みから受験後までの流れをご紹介します。

目次

CBT試験?CBT方式?

IPA資格はCBT-SolutionsのCBT方式で受験するんだね

いったんCBTの全体像を確認します。

CBTとは、Computer-Based Testingの略で「パソコン(ベース)でのテスト」を意味します。逆に従来の紙ベースの筆記テストはPBT(Paper-Based Testing)、自宅パソコンやスマホなどでのオンラインテストはIBT(Internet-Based Testing)と言います。

なので「CBT試験」というとパソコンテストテストになるので、正しくは「CBT方式」または単に「CBT」という言い方になりますね。

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日本国内でのCBTは、TOEFLなどの英語系資格試験やベンダー系のIT資格試験(例:Microsoft、CiscoのCCNAなど)で行われていました。

その後、宅建などにも対応し始め、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の情報セキュリティマネジメント(以下「セキマネ」)や基本情報技術者(以下「基本情報」)でも利用できるようになったのはここ数年のこと。

別途、身体の不自由な方向けには従来通り年2回のPBTも行われてるんだと。ああ、だから混乱したのか。

なるほど、最近からなのですな。

 

ちなみに、CBT方式の試験会場運営を行うのは、CBT-Solutions(株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ)や、海外企業のPrometric(プロメトリック)、Pearson VUE(パーソンビュー)など複数あります。

いずれの運営企業も会場は直営とは限らず、提携する資格学校やパソコンスクールが含まれます。

実際にあなたがどの試験会場運営会社を利用するかは試験・資格によって異なりますが、基本情報とセキマネは、IPAがCBT-Solutionsに委託していることまではわかりました。

ちなみにITパスポートもCBT方式を採用していますが、IPAから専用サイトへ申し込むかたちとなり、CBT-Solutionsは使っていないかもしれません。ここは今回は調べていないので割愛しますね。

 

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験勉強について

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験勉強について、詳しくは別の記事に書きました。

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端的に言うと、試験内容は口外禁止なので具体的に書けないけど、この参考書のKindle版だけで、よほどの凡ミスが続かなければ合格点はイケることがわかりました。

このKindle版をパソコンと小型タブレットに入れて勉強しました。タブレットはなんでもいいのですが、8インチクラスだとすきま時間に使いやすかったです。

Google Play Storeは使わないでいいなら、fire HD8あたりをAmazonセールのときに安く買うのもアリですね。

筆者が使った書籍では、WEBでの過去問も無料で受講できたのでよかったです。

オンラインでの過去問などをやっておくと、問題文に直接書き込みができないCBT方式に慣れることができていいと思います。

もちろん人によるけど、勉強をガチったのは試験前日の1日だけ。ほかは平均1時間×2週間くらい。これで800点くらい取れました。初学者でも上記方法で2,3ヶ月あれば充分合格できると感じました。

CBT試験の申込みから受験までの流れ

それではセキマネを受験しようと思います。

CBT試験の申込みから受験までの流れを先にまとめると次の通りでした。

1.CBTのオンライン申し込み&支払いをする
2.申し込んだ日時に試験会場へ行く
3.試験会場のパソコンでペーパーレス受験する
4.受験終了直後、その場でパソコン画面上に点数結果が表示される
5.合格した場合は後日に合格証書などが送られてくる

つまりオンライン試験ができるからといって家で受験できるわけではありません。あくまで試験会場のパソコンで行います。

そりゃそうだよね。カンニングし放題になってしまうし。

それではこの5点の流れについて少し詳しく見ていきましょう。

1.CBTのオンライン申し込み&支払いをする

1.CBT申込みサイトへアクセスする

CBT-SolutionsのCBT申込みサイトを開きます。IPAの資格情報ページにもリンクがありますね。

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独立行政法人情報処理推進機構 | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト 試験の詳細については、各試験概要ページをご確認ください

初めてCBT-Solutionsでこの試験を申込みする方は、利用者ID新規作成が必要です。この利用者IDは、申込み後の情報確認や他区分の受験申込み、合格証明書の交付にも使用します。

つまり基本情報とセキマネのCBT受験について、IPA側への手続きは一切不要です。CBT-Solutionsのサイト内で申込みから合格発表までが完結します。筆者はこれが最初よくわからなかったのです。

2.受験日時や会場を指定する

日本全国にあるCBT-Solutionsの試験会場(テストセンター)を検索することができます。このなかから、あなたの都合のよい会場を選びます。

会場毎に営業日や営業時間が異なりますので、あなたの都合のよい日時を選びます。

3.支払いをする

支払い方法は、クレジットカードのほか、コンビニエンスストア/銀行ATM(Pay-easy)があります。クレジットカードならすぐに手続き完了になります。

領収書は申込完了後マイページからPDFが発行可能です。領収書は発行されてから1年間ダウンロード可能。ちなみに領収書の宛名は変更できませんが、発行時に会社名など団体名を追加することは可能です。

4.申し込み完了

支払いも完了すると、完了メールが届きます。

なお、試験当日へは所定の身分証明書だけ持って行けばOKなので、画面印刷の持参は必要ありません。

 

2.申し込んだ日時に試験会場へ行く

撮影許可をいただいてます

撮影許可をいただいてます

※筆者は「ANES新宿センタービルテストセンター」でCBT方式の受験をしましたので、以下は同テストセンターの場合とご理解ください。

テストセンターでは試験開始時刻の30分前から受付を開始しています。後述のチュートリアルもありますし、受付が混雑する可能性もあるのでどんな遅くとも開始時刻10分前には行くといいと思いました。

 

受験に際して持参必須なのは身分証明書だけです。よって、受付の際にあなたが提示するのは身分証明書だけです。

受付で本人確認と書類での規約同意を終えたら手荷物の全てをロッカーに入れます。ポッケの中も全部出してくれと。スマホは電源を切るところを見せてほしいと言われます。全部ロッカーに入れます。

別室の試験会場に持ち込めるのは、以下だけです。クリアファイルに入れてもらえます。

  • テストの流れやログイン用IDPWが書かれた紙(受付時にもらう)
  • 身分証明書
  • 貸し出しされるボールペンとA4メモ用紙1枚(いずれも終了後に返却する)
  • ロッカーの鍵

電卓や腕時計も持ち込み禁止です。あとドリンク持ち込めないの地味につらい。

3.試験会場のパソコンでペーパーレス受験する

受付後に荷物をロッカーに入れ、別室の試験会場へ入ります。図書館の自習室のような部屋でした。一人一人がパーティーションに区切られたデスクが並んでいます。指定された番号のテスクに向かいます。

 

そこにはパソコンのモニター(23インチ?)と、有線マウス&キーボードがあります。いずれも激安品ではないけど年季入ってました。OSはWindows11です。

あとは試験用のパソコンが動かないなどの緊急用ボタンのみ。

着席したらパソコンでIPA試験を選択し、受付時にもらった紙に書かれているIDとPWを使ってログインをします。

 

ログインをすると、チュートリアルを行うか、テストを開始するかが表示されています。

指定した試験開始時刻が来ると強制的にテストが開始となりますが、それまでの間ならチュートリアルを試すことが可能です。

チュートリアルは、CBT試験の操作方法がかんたんにわかるサンプルのようなものです。

このチュートリアルは事前に自宅等から体験できるので見ておくとよさそうです。

以下URLの「CBT方式について」より開くことができます(PC限定)。直リンクできないのでページなかほどをご覧ください。

 

チュートリアルをやるやらないに関わらず、準備が完了したら指定した試験開始時刻よりも前にすぐにでも試験を開始することが出来ます。待たされないのはいいですね。

そして試験開始ボタンを押して、ポチポチと進めていきます。全て選択式なのでマウス操作のみ。想像していた問題がほとんどでした。

 

ここでワンポイント

画面の左側に試験問題(PDF?)が表示されて、右側で回答選択ボタンを押していくんだけどね。30インチクラスのモニタに慣れている人は画面表示領域が狭いと感じるでしょうね。

特にB問題では上下スクロールが増えてしまって手間だし効率もよくない。画面上にある拡大縮小機能をうまく使ってみてください。特に老眼とかでなければ80%表示くらいにした方がいいかもしれない。

 

多少の緊張もあって喉が渇きますが、飲み物の持ち込みもできないのでガマン。飲みすぎてトイレに行きたくなってもマズいのですが、この試験会場に入る前に喉を潤しておいた方がいいですね。

試験時間は120分で休憩時間などはありません。ペース配分的には時間が足りないということはないでしょう。個人差はありますが、のんびりしないよう心がけて約90分で一通りの回答入力を完了。あとは見直しをします。

4.受験終了直後、その場でパソコン画面上に点数結果が表示される

試験終了ボタンを押して早上がりすることは可能ですが、時間いっぱいまで見直しをしていると終了時刻となり、強制的に試験終了です。

すると即座に画面へ点数が表示されます。この時点で1000点満点中、基準点(600点)以上の場合に合格が確定的です。

確定的というのは、正式な合否判定はこの場ではされないからです。ただし学校受験のように「合格者は上位から何人」というものでありません。基準点を超えていれば合格なので、超えていたら喜んでいいと思います。

また、残念ながら基準点を下回った場合、再受験は前回の受験翌日より31日以降に可能です。つまり極端な話、年11回も受験することが可能です。

5.合格した場合は後日に合格証書などが送られてくる

合格点を超えたら、さっさと合格発表と合格証書がほしい!とは思うのですが、それなりに時間がかかります。

合格発表は、受験月の翌月中旬に、合格者の受験番号をIPA(情報処理推進機構)のホームページから確認できます。また、CBT-Solutionsのマイページでも確認することができます。さらに後日、合格者の受験番号が官報に公示されます。

経済産業大臣から交付される合格証書の発送時期は明確には決まってないようですが、概ね合格発表日の1ヶ月後が目安になります。

転職活動など、何らかの理由で合格したことを少しでも早く証明したい場合、申請によりIPAが発行する合格証明書を発行(有料)することが可能です。詳しくは以下を参照してください。

「情報処理技術者試験」「情報処理安全確保支援士試験」合格証明書交付申請

 

まとめ

本稿のまとめは次の通り。

  • IPA資格のうち、基本情報とセキマネはCBT方式に対応していることから、通年いつでも受験することが可能。
  • これら二つの資格は、CBT-Solutionsの試験会場で受験することが可能。申込みや支払いはWEB完結が可能。
  • CBT方式の試験が終わるとすぐに点数がわかる。ただし正式な合否は別途IPAから発表。
  • CBT試験を終えた感想「喉が渇いた。」

感想としては、CBT方式の受験も特に抵抗はなかったな。結果的に合格点以上を取れたのでやってよかったし。

くりかえしになるけど筆者が利用した参考書は実用的だった。これだけ1冊やれば合格圏内には入れる。ただし全てを網羅してないので満点はムリ。

あと分厚い本を持ち歩くのは気持ちが億劫になってしまいます。参考書はKindle版を買って、タブレットで隙間時間にいつでも見れるようにするといいですね。

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