2018年以降に発売された新しいiPad Pro 11/12.9にはイヤホンジャックがありません。また従来のiPhoneやiPadで使われてきたライトニングケーブルのジャックではなくUSB TYPE-C端子に代わりました。
これにより、iPad Proで有線イヤホンやヘッドホンを使用したい場合は、変換ケーブルというか変換アダプタが必要となります。ところが少し選び方に注意が必要です。結論から言うと、イヤホンジャック変換ケーブル・アダプタは2種類あるんです。もしも間違った方を買ってしまうと、iPad Pro 11/12.9では使えません。実際にiPad Pro対応品を購入してみたので簡単にレビューをします。
【追記】当記事は初稿当時のiPad Pro11(第1世代)を取り上げていますが、最新の2022年発売のiPad Pro(11は第4世代、12.9は第6世代)、iPad mini(第6世代)、2022年発売のiPad Air(第5世代)もUSB TYPE-C端子が一つしか無いことや、イヤホンジャックが無いこと、下記ご紹介するアイテムが適合することなどは全く同じで共通しています。また商品リンクは適宜最新のものへ差し替えています。
iPad Pro 11/12.9ではUSB TYPE-Cをイヤホンジャックに変換するケーブルが必要な件
iPad Pro 11を会社から支給してもらいました。本当ならPUBGモバイルなどのFPSゲームアプリでリフレッシュレート120Hzのヌルサクプレイをしたいところですが、このブログ「オニオン座」は会社の同僚も読んでるようなのでやめておきます。その代わりに少しだけApple iPad Proのご紹介させて頂きます。
これがiPad Pro 11です。さすがアイパッドの最高峰はかっこいいね。
iPad Proは第二世代以降、ストレージ容量はアップ(64GB→128GB)したのに値下げしていてマジでお買い得です。※2021年発売の第三世代はM1チップも搭載。
iPad Pro 11の付属品は、PowerDelivery対応のUSB充電器18WとPD急速充電対応のUSBケーブルだけでした。USBケーブルも少しガッチリした感じ。長さは1mほどです。
USB充電器はこんな感じでUSB TYPE-Cが1つあるだけのシンプルさ。
アップル純正のPowerDelivery対応USB充電器の型番はA1720です。5V-3A、9V-2Aに対応しています。巷にある5V-2.4Aの高速充電器でも充電はできますが充電速度は多少遅いです。純正品くらいの充電速度が欲しいならパワーデリバリー対応のUSB充電器が必要です。
例えばこういうやつね。純正品以外を買うのならAnker製品が安定です。これは65W対応なのでMacbook Pro/Airでも使用が可能で、うちにも1台あって常時携帯しています。
個人所有のiPad 9.7インチ(第6世代・2018)と比較させていただきます。ディスプレイサイズの大きいiPad Pro 11の方が大きいのは当然ですが、意外とそれほどの違いはありません。ベゼルの幅が全然違うのとホームボタンがないことでサイズダウンできています。
iPad 9.7インチ(2018)とiPad Pro 11を重ねて大きさを比べてみました。だいたいタテヨコとも1cmくらいの差です。
裏面から見た大きさの違いはこんな感じ。実用上はほぼ同じ大きさと言ってもいいくらいです。
ダサいのは外側のアウトカメラ部分ですな。iPad 9.7インチ(2018)はすごくシンプルですけど
iPad Pro 11のカメラ部分は不細工です。最近のiPhoneXシリーズもそうですが出っ張ってます。どうせiPad Pro用ケースをかぶせて使うからいいんですけどね。【追記】2020年以降発売のiPad Proは広角と超広角のデュアルレンズに変更しています。
実際の画面表示はどうでしょうか。iPad 9.7インチ(2018)とiPad Pro 11を比べてしまうと、正直雲泥の差です。
もちろんiPad 9.7インチ(2018)でも普通に使う分には何も問題ありません。むしろ過去記事「PUBGモバイルのせいで新型iPad miniが待ちきれなくてiPadを買ってしまったので開封レビューするよ」でもご紹介の通り、PUBGモバイルもヌルサクでドン勝ちしまくりなくらいですから。
ところがね、iPad Pro 11をさわってしまうともう遙か別物なんです。普通の操作の反応速度やスクロールしたときの操作感が段違いです。iPad 9.7インチ(2018)のリフレッシュレートは60Hzなのに対して、iPad Pro 11/12.9はその倍の120Hzです。倍速ですよ。これはゲームをしなくても充分体感できます。
リフレッシュレートとは1秒間に何枚の絵が画面で切り替わって表示するかの数値で、残像なく俊敏な表示が見たい場合は多ければ多いほど良いわけです。逆に少ないとパラパラ漫画みたいになります。
iPad 9.7インチ(2018)でブラウザなどの画面を早めにスクロールするとザーッと残像がある感じでそれが普通だと思っていました。ところがiPad Pro 11ではもはやリアルな絵が上下に動いてる感覚です。
さらにスクロールさせようと指をフリックしたときも、iPad 9.7インチ(2018)で不満はないのですが、iPad Pro 11のほうが反応速度が速く、より自然にスクロールしてくれます。まるで絵を触っているみたいな。ああ伝わらねえな。
要するに、iPad ProはFPSなどのゲームアプリをするには最適な端末と言えるのです。PUBGモバイルや荒野行動などバトルロイヤルゲームのプロ実況者やYouTuberがこぞってiPad Proを使っていることからも証明できます。
これでパブジーやりてえ、まじでやりてえ。iPad mini5が出るまで新しいiPadは買わない決意をしていましたが揺らぎます。
このへんは動画でご紹介しようと思ってますので後日追加します。
ちなみにリフレッシュレートが120HzなのはiPad Proだけです。なので格安で倍速リフレッシュレートを体験したいなら、型落ちのiPad Proを買うのもアリ。公式整備済み品なら新品同様です。
USB Type-C イヤホン変換ケーブルを購入してみた
で、ここからが本題です。あくまでこのiPad Pro 11は仕事用なわけです(きっぱり)。本業であるWEBディレクターのお仕事をしていると、それなりに動画を見なきゃいけないのでイヤホンを使いたい。
でもiPad Pro 11/12.6にはイヤホンジャックがありません。ライトニングケーブルのイヤホンや変換ケーブル・アダプタなら社用iPhoneの余りがいくらでもあるのですがそれも使えません。
なぜならiPad Pro 11/12.6インチにはUSB TYPE-C端子しかないからです。それも一つだけです。iPad Pro 11の付属品も上記の通り、PowerDelivery対応のUSB充電器と急速充電対応のUSBケーブルしかないのです。イヤホン変換ケーブルくらいつけといてよアップルさん頭悪いんじゃないの?
ならばBluetoothイヤホンを使えばいいのですが、常に充電を気にしないといけないのが億劫です。また無線なのでアプリによっては音ズレも生じます。仕方ないので自腹を切って変換ケーブルを購入して有線イヤホンが使えるようにしたいと思います。
かなり調べて探しましたが、結論を先に言いましょう。iPad Pro 11/12.6でイヤホンジャックを使う場合、変換ケーブルはアップル純正品がオススメです。
普通、純正品は割高だけど、コスパは高くないですよね。でもアップル純正品がコスパ最高なのです。それはなぜなのかを説明します。
実はUSB TYPE-C端子ー3.5mmイヤホンジャックの変換ケーブルは各社から発売されていますが、それらの多くはXperiaなどのAndroidスマホ・タブレットで使われるものであって、iPad Pro 11/12.6には対応していません。こんな大切な事実、普通は分からないですよね?
大切なことなのでもう一度言います。現在販売されているUSB TYPE-C端子ー3.5mmイヤホンジャックの変換ケーブルの多くはiPad Pro 11/12.6には対応していません。
なぜなら、iPad Pro 11/12.6はUSB TYPE-Cから音声をアナログで出力することができないからです。したがって変換ケーブル内にDAC(D/Aコンバータ)というデジタル信号をアナログ音声へ変換するチップが必要になります。いわゆるDACアンプとかUSB-DACと呼ばれるものでなければなりません。
Android専用イヤホン変換ケーブルなど、iPad Pro 11/12.6に対応していない変換ケーブルをもし使ったとしても、iPadから音声出力可能なポートと認識されず、スピーカーから音が出るだけになります。家電量販店のスマホコーナーなんかに展示されているのは基本的にこちらのタイプしかありません。
iPad Pro 11/12.6をお使いの方が買ってはいけないイヤホン変換ケーブルが例えば3本セットで800円くらいだったかな。なんなら100均でも売ってますが安いけど買っちゃダメですよ。
さすがアップルさん。やっと汎用的なUSB規格に対応してくれたと思ったら、こんな地雷があったんですな。
iPad Pro 11/12.6に対応したサードパーティーの変換ケーブルもあるにはあります。しかし家電量販店では絶望的に展示・販売されてないため、ネットで買うしか有りませんけどね。こちらとか。
さらにイヤホンを使いながら充電もできてしまうPD-USB対応の品はこちら。これはアップル純正品にもない商品なので欲しい人にとってはありがたいでしょう。実は私も持ってます。PUBGモバイルなどではモリモリ設定にすると3〜4時間でバッテリーがほぼなくなりますから、朝までパブジーしたい人は充電しながら長時間プレイできます。
でも、前述したサードパーティーの変換ケーブルと比べてもアップル純正品は100円位しか変わらないんです。定価1,100円(税込)なり。これくらいの価格差なら怪しい中華アダプタを買う理由がありません。アップル純正なら粗悪なDACを使ったりしないでしょうという期待値込みで素晴らしい。
そんなわけでアップル純正品を買ってみました。それがこちらです。イヤホンやヘッドホンで音楽が聴けるだけなく、マイク付きイヤホンなども使用することができます。また純正品なので1年保証が付いていますから、もし普通に使っていて断線しても無償交換してもらうことができます。実は紛失にも備えて会社常備用と携帯用と予備で計3つ購入しました。安いからね。
箱から取り出してみるとこんな感じで小さい。こんなのにDACチップが入っているとは驚きです。さすが純正品ともあって外観や触ったときの質感は文句有りません。ただし耐久性は微妙かな。純正のライトニングケーブルって1,2年で皮膜が破れたりしたじゃないですか。あんな質感です。
実際につないでみるとこうなります。変換ケーブル自体が短いので邪魔にはなりません。思いのほかUSB TYPE Cジャックが固いので抜きづらい気はします。なので変換ケーブルを抜く際にケーブル部分を持って引っ張ると断線の原因となりますので注意しましょう。しばらく使ってみて耐久性などを追加レポートできればと思っています。
ちなみにUSBがType-CポートしかないMacbook Air Retina 2018でこのイヤホンジャック変換ケーブル・アダプタが使えるかどうかを試してみましたが、音声がイヤホンに出力することはできませんでした。素直にイヤホン・マイクポートを使いましょう。
アップル純正品イヤホンジャック変換ケーブルの音質について
アップル純正品のイヤホンジャック変換ケーブルを使ったときのiPad Pro11の音質と、イヤホンジャックのあるiPhone6s、イヤホンジャックを持つ最新iPadのひとつであるiPad mini5の音質を比べてみました。
iPhone・iPadなどのApple製品の音質は、全般的に味付けをしていないナチュラルでやや柔らかめな点が共通していて、従来のスマホよりも高音質と言えます。オーディオ好きにはお分かり頂けると思いますが、音質的なキャラはソニーよりはヤマハという感じでしょうか(すまん自分がオーディオ好きなので一般人には逆に分かりにくい例えかな)。なにしろiPhoneはデジタルオーディオプレーヤーのiPodがルーツですからね。この傾向はiPhone6sとiPad mini5も例外ではありません。
純正イヤホンジャック変換ケーブル内蔵の外部DACを使ったことによりiPad Pro11の音質の音質は、iPad mini5よりも良く言えばクッキリはっきりしている、言い方を変えれば音がやや固くなり、情緒的かつ音楽的というより明瞭なモニター的という印象でした。音の分離はそこそこあります。つまり普通に音楽を楽しむ分には良い方向に音が若干変わります。人によっては従来のiPhone・iPad直結よりもクリアに聴けると感じるかもしれません。そもそもiPadシリーズならではの高音質は担保されているので全然アリだと思います。
ちなみに、この手の商品では音質のほかに大切な要素としてボリューム音量が小さいものがありますが、このアップル純正品のイヤホンジャック変換ケーブルでは問題ありませんでした。これものすごく大事。
さらに、アップル純正品のイヤホンジャック変換ケーブルなら、一般的なマイク付きイヤホンも問題なく使えます。これも大事。対応していない社外品がありますからね。
まとめると、Phone・iPadなどにイヤホン直刺しと、アップル純正品のイヤホンジャック変換ケーブルを使った場合の音質は、キャラは少し違うけどレベル的には同等と個人的には感じます。ただし水準自体が高めですね。
より高音質で音楽を楽しみたい方は、以下のようなオーディオ用USB-DACを使うと幸せになれます。Phone・iPadでもハイレゾ音源を、従来よりだいぶ良い音を聞くことができます。オニオン座も購入して大変気に入って使っています。
iPad Pro11/12.9インチでイヤホンジャック変換ケーブルを使うとマイクが使えないトラブルの解決方法
最後に余談となりますが、ネット上でまれにトラブルがあるとの報告があるので解決方法を記載しておきます。
アップル純正品のイヤホンジャック変換ケーブルを経由してマイク付きイヤホンを使用することは可能です。純正品ではなく、また上記のようなPD充電対応の二股アダプタでもマイクを使うことができます。
ところが、PUBGモバイル等のFPSゲームにて、変換ケーブル・アダプタを経由してマイク付きイヤホンでボイスチャットをしようとしても、マイク音声が相手に届かないという事象がネット上でも報告されています。イヤホンから音は聞こえるのにマイクが使えない状況です。
そんなときマイクを使えるようにする解決方法は、基本的に全て抜き差しすればOK。PUBGモバイルしながらでいいので、変換ケーブル・アダプタを抜き差しした後、イヤホンを抜き差しします。
そもそもiPad Proがこうした変換ケーブル・アダプタを「USB接続の外部機器」と認識するのですが、何らかの原因により正しくiPad Proから認識されないことがまれにあるようです。よくある発生パターンとしては、「マイク付きイヤホンを使用してゲームする(正常にマイクが使えている)→ゲームが終わり、USB変換ケーブル・アダプタを外してiPad Proをスリープさせる(ゲームアプリ自体は終了させない)→またゲームをやろうとUSB変換ケーブル・アダプタを刺して(終了していない)ゲームアプリをやる→マイクが効かない」です。
たまにPD充電だと二股アダプタでうまくいかない場合もあります。その場合は5V-2.4Aなどの普通のスマホのUSB充電器を使うと問題が解決することがあります。
あまりないと思いますが、参考になさってください。
まとめ
iPad Pro11インチの簡単なレビューと、iPad Pro11/12.6インチのUSB Type-Cポートを使って有線イヤホン・ヘッドホンを使うための変換ケーブル・アダプタ、そしてもはやマストなUSB Type-Cハブについてご紹介しました。
今回、純正変換ケーブルを3本とサードパーティーのPD充電しながらイヤホンが使えるアダプタを1本購入して試してみましたが、音質も問題なくて満足しています。FPSゲームや音ゲーをやる方はBluetoothイヤホンの遅延が気になりますから、こうした変換ケーブル・アダプタは必須と思います。
ともあれイヤホンジャック廃止するならするで、変換ケーブルくらい付属品として付けておいてほしいものです。だって1,000円で別売りできるレベルなんですからね。それもDACチップ内蔵の変換ケーブルしか使えないことも訴求不足で、たぶん沢山の人がよく分からずに非対応品を買ってしまっているのではないでしょうか。
それでは最後に本日のお買い物のおさらいです。iPad Pro 11を買うなら一番お安いWi-Fi128GBモデルがオススメ。PUBGモバイルのグラフィック設定で90FPSの「極限」が選択出来るiPadはiPad Proだけです。
割安価格になった初代iPad Proを買う方はこちらがおすすめです。こっちはLightningコネクタ搭載です。
アップル純正のイヤホン変換ケーブルはこちらです。私はずぼらなので3本まとめて買いました。交互に使えば劣化や断線もしづらいと思います。
充電しながらイヤホンが使える変換ケーブルというかハブはこちら。長時間ゲームをするときに充電しながら遊べた方がいいですね。
私は枕元で充電するのは純正品で、携帯用にAnkerの充電器を持ち歩いています。普通の5V-2.4A高速充電器も使えますが充電速度が遅すぎるので、iPad Pro 11/12.9ではPD充電器はマストです。
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以上、ブログ「オニオン座」がお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。