ある日、なんとなくネットをさまよっていたら多ドラの中華イヤホンなるものが注目されているようなので実際に買ってレビューしてみます。
一昨年購入したオーディオテクニカのイヤホンATH-IM03には充分満足していますが、ちょっと違うイヤホンを使ってみたいと思いましてね。
関連記事:「多ドラ5BAドライバ搭載の中華イヤホン「KZ AS10」を買ってみたのでレビューしますよ」
高音質で低価格と話題の中華イヤホン「KZ ZS6」を買ってみたのでレビューしますよ
中華イヤホンとは
女性がいろんな色の口紅を使うように、ギタリストが何本ものギターを使いこなすように、いつもと違うイヤホンを使ってみたいと思うようになってきました。
そんなときに目に入ったのが「中華イヤホン」でした。中華イヤホンとは文字通り中国メーカーのイヤホンのこと。
実は5年以上前、同様に「中華アンプ」が気になってTOPPINGのデジタルアンプを購入して、その高いコストパフォーマンスに満足していました。アマゾンで買っても1万円しない中華アンプは、部分的には国内メーカー品の10万円クラスに匹敵するサウンドでしたから。
Topping
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中華アンプの次は中華イヤホンか、と思ったわけです。
確かに、イヤホンの多くは中国製であり、そもそもイヤホンの原価自体はめちゃめちゃ安いことは多くの人が知っていると思います。イヤホン製造でノウハウのたまった中国企業がイヤホンを作れば、安くていいものができるんじゃないかと想像するのは容易いものです。
今話題になっている「KZ ZS6」は、中国Knowledge Zenith社より販売されており、中高音を2発のバランスドアーマチュアドライバ(以下「BA」という)で、低音を2発のダイナミックドライバでドライブする2BA2DDの4ドライバハイブリッド構成とのこと。いわゆる「多ドライヤホン」です。ちなみにZS6はZS5やZS3の後継機種となる最新モデルとなっています。
そして以前の記事「aikoのせいでイヤホン沼にハマって、ようやく抜け出すことが出来た話」でご紹介したとおり、私はaikoが大好物であり、aikoを聴くにはBAドライバーを搭載したイヤホンが絶品であることが分かっていました。
4ドライバ構成の多ドライヤホンなんぞ、名の知れたメーカーのものを買えば3万円以上はするであろうに、なんとこのZS6はAmazonで5,000円以下で買えるらしい。これは買っちゃおう。
中華イヤホンの購入方法
中華イヤホンはヨドバシカメラなどの家電量販店で購入することは基本的にできません。買えるのは基本的にはネットのみで、一部がeイヤホンなどのイヤホン専門店にあるくらいです。
最も安く買いたい場合はGearBestやaliexpressなど中国のショッピングサイトでの購入となります。気になる価格はサイトや時期によって異なりますが、今見てみたところKZ ZS6だと3,500円を切ります。
その反面、注文してから手元に届くまで1~2週間かかることもあるそうです。中国からEMSなどで届きますから。また万一初期不良などがあった場合の保証が気になりますね。
ちなみにGearBestでは今なら日本国内への送料が無料で、45日返金保証や1年間修理保証が付いていますので、気になる方はご覧下さい。
https://www.gearbest.com/earbud-headphones/pp_770867.html
すぐ欲しいし保証も完全を期したい、という方はアマゾンでの購入がお勧めです。GearBestと比べて1,500円ほど割高となりますが在庫があれば翌日には届きますし、何か問題あれば返品返金も簡単です。実際に私もアマゾンでポチりました。
ZS6の開封レビュー
そんなわけでアマゾンから届いたのがこちら。マイク付きケーブル版とマイク無しケーブル版がありますが、マイク無しの方を購入しました。
こちらは簡易パッケージだそうです。本体は秀逸だがケーブルが残念という口コミレビューが多かったので、本体と一緒にリケーブル用ケーブルも購入しました。
パッケージに書かれたスペック表はこちら。周波数帯域は7~40KHzとなっていてスペック的にはハイレゾ対応しています。インピーダンスは15Ωです。
箱を開けてみました。色は赤を選びました。いいでしょ?他にも黒と緑がありました。価格の割にアルミ削り出しのためか意外と高級感あります。
KZ ZS6本体とケーブル、シリコンイヤーピース(SMLの3種類)が入っていました。
袋から出したケーブルはこちら。規格的には0.75mmの2pinです。標準付属品はクロストークが多いとの評判がネットの口コミでは見られます。
KZ ZS6本体にケーブルを刺してみました。一瞬、刺す向きに悩みましたがケーブルをよく見るとLRが書かれているのでその通りにしてみます。刺すときはちょっと固めでしたのでピンが折れないかヒヤヒヤしながら押し込みました。緩すぎるよりマシかな。
ちなみにこのZS6と先代のZS5ですが、高級イヤホンCampfire Audio ANDROMEDA CAM-4808のデザインをもろパクリであることはイヤホン業界では有名な話。ANDROMEDAはなんとBAドライバーが5発も入っていてこのお値段。価格差は20倍以上です。
ともあれ、別売りのリケーブル用ケーブルはこちらを購入しました。手元にはバランス出力に対応したデジタルオーディオプレイヤー(以下「DAP」という)がないので、今回はアンバランスの普通のケーブルにしました。
パッケージを見る感じ、純正オプション品なのかしら?
リケーブル用ケーブルのスペックはこちらです。ケーブルの長さは1.2mです。
開けてみました。
付属品のケーブルより、ぐっと高級感のある4芯の撚り線タイプです。
同じように刺してみました。やっぱりキツかったけど二度目なんで慣れました。
KZ ZS6を実際に聴いてみた(サウンドについて)
糞耳の私で大変恐縮ですがKZ ZS6の試聴レビューをさせて頂きます。
今回の比較基準となるのは以前の記事「aikoのせいでイヤホン沼にハマって、ようやく抜け出すことが出来た話」でもありましたが、私が比較のためによく聴いていた1万円前後と4万円弱のBAイヤホンなります。
中華イヤホンを始め中国メーカーの製品のアマゾンレビューを見ると、日本語が怪しいレビューがたくさんあってサクラがうじゃうじゃいますのでなかなか参考にするのが難しかったのですが、実際に聞いてみるとどんなもんなんでしょうか。
KZ ZS6をとりいそぎ24時間エージングしてから、まずは付属のリケーブル用ケーブルと付属のイヤーピースで聴いてみました。音源はApple Lossless(ALAC)のaikoを中心に、和ジャズをいくつか試してみます。
まず感じたのは「40ドルの音じゃない」ということ。正直びっくりしました。
音の分解能が高く、音場もほどほど広めで、J-POPやロックを聴いても楽器の配置や存在感が分かります。
高音はBAによりハキハキしていて、低音はダイナミックドライバでリッチです。バランス的にはドンシャリ気味。ハイブリッドながら音のつながりはよく、安物のイヤホンには変な音域にピークがあったりしますがZS6には特にありません。
ただ高域が強めです。女性ボーカルのサ行は刺さりませんがそれよりも上の高域がちょっとやかましい印象。また低域もKZイヤホン共通の特徴ともいえますがだいぶ膨らんでいます。これくらいの方が外で聴く分にはむしろちょうどいいのかもしれませんが、静かな部屋で聴く分には気になります。どうしても気になるならイコライザーで調整しましょう。
ちなみに気になる音漏れについて。KZ ZS6には大きめのダクトが3つあるので盛大な音漏れをするんじゃないかと心配な方もいらっしゃると思いますが、実はそれほどでもありません。
実際にうちの嫁にKZ ZS6を使わせて、近くで聞いてみましたが特に音漏れはありませんでした。後で述べるコンプライイヤーチップを使えば遮音性が高まる→無駄にボリュームを上げなくていい→さらに音漏れ軽減となって安心です。
ここでリケーブル用ケーブルを付属のものから別売りのものに替えてみました。高域のやかましさが少しだけ軽減し、サウンドの線が太くなりました。確実に1グレードアップした感じです。左右のチャンネルセパレーションも心なしか改善したように感じます。
次にイヤーピースを交換してみました。付属のイヤーピースはシリコン製でしたので遮音性が不十分でした。そのためウレタン製のCOMPLYイヤーチップを購入しました。コンプライのサイズはT400がジャストフィットします。私は耳垢ガードの付いたTX400を購入しました。
Comply TX400のパッケージ裏面にある対応表には、KZ ZS6は載っていません。それどころか中国KZ(Knowledge Zenith)社の機種は一切載っていませんでした。
遮音性が不十分だと周りの音が聞こえてしまい、必要以上にイヤホンのボリュームを上げなくてはなりませんがコンプライだとそんな必要はありません。
そんなコンプライに替えてみると高域のやかましさがやや抑えられ、ちょうどよくなりました。ちなみにコンプライは2個入り(1ペア)と6個入り(3ペア)がありますが、値段は倍くらいなので6個入りがお得です。
Hearing Components社
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こうしてOFCリケーブル用ケーブルとコンプライイヤーチップを追加したためアマゾン価格総額で8,000円ほどとなりましたが、こうしてみると20,000円程度で売られている有名メーカーのイヤホンに勝るとも劣らないサウンドとなりました。これはスゴイ。
【追記】KZ-ZS6よりも遙かに気に入ったAS10の記事はこちら。
→多ドラ5BAドライバ搭載の中華イヤホン「KZ AS10」を買ってみたのでレビューしますよ
まとめ
初めて中華イヤホンを購入して使ってみましたが、国内で5,000円以下で買えるイヤホンとは思えない実力です。中国から買えば3,000円台で買えますからね。贅沢を言わなければ付属のケーブルとイヤピースで充分。ほんと超ハイコストパフォーマンスなイヤーフォンでした。
高いAmazonで買って、リケーブルケーブルやイヤーチップを追加したとしても、国内メーカーで8,000円でこのサウンドを実現しているイヤホンはおそらくないでしょう。
厳密に聴くとわずかにエコーしていたり高音が暴れているなどのツッコミどころはありますよ。特別吟味して探し出した愛機のATH-IM03と比較してしまうとサウンドの自然さの面で勝てていませんが、パワフルさ加減はなかなかのものです。音源に応じて使い分けていきたいと思います。
それでは今回購入した中華イヤホンのおさらいです。黒もカッコイイな。
スマホでハンズフリー通話がしたい方や、PUBGモバイルなどでボイスチャットしたい方はマイク付きがオススメです。
うちのリファレンスイヤホンがこちら。
バランス出力があるDAPをお持ちの方は、是非バランスケーブルでお試しいただきたい。バランスのリケーブルケーブルはジャックが2.5mm(オンキヨー・パイオニアなど)と4.4mm(ソニーウォークマンなど)がありますのでお間違えのないようにお願いします。高音質な8芯でもこの価格。
ていうか今調べてみたら、型落ちにはなるけどバランス出力対応の国内メーカーDAPが2万円切ってますね。。。現行機種と基本スペックは変わらないのにほぼ半額になってます。ヨドバシでは在庫切れのようなので買うなら今かもしれません。このあと私もポチります。
【追記】予告通り購入してレビューを書きました。これはホント買って良かった。今買うなら後継機種XDP-20Lの方が安い。
→「中華DAPにも負けない!低価格高音質なパイオニアXDP-30Rを購入したので開封レビューしますよ」
でも、せっかく中華イヤホンを買うなら、手間を惜しまずに一円でも安く中国から直接買いたいんだ!というチャレンジャーはこちらをご覧下さい。最近のGearbestではサポートも日本語対応するなど以前よりも初心者に優しくなった模様。
https://www.gearbest.com/earbud-headphones/pp_770867.html
関連記事:「aikoのせいでイヤホン沼にハマって、ようやく抜け出すことが出来た話」
関連記事:「多ドラ5BAドライバ搭載の中華イヤホン「KZ AS10」を買ってみたのでレビューしますよ」
以上、最後までご覧くださり誠にありがとうございました。