カメラフラッシュ(ストロボ)に適したニッケル水素電池は、普通の乾電池と何が違うのか

カメラフラッシュ(ストロボ)の購入を機に、久しぶりに充電出来るニッケル水素電池を購入しました。

近年ではあまり使っていなかった充電池(二次電池)ですが、カメラフラッシュでは一般的にニッケル水素電池がオススメされており、その理由を調べました。ついでに実際に購入してみましたので充電池の選び方などもご紹介します。

目次

カメラフラッシュ(ストロボ)に適したニッケル水素電池とは

結論から言うと、筆者はこちらのニッケル水素電池2,400mAhを購入しました。

どんな背景でこちらの電池を購入したか、本題に入る前にいったんカメラの話をさせてください。先日、撮影の現場のためにカメラフラッシュ(ストロボ)を購入しました。予算がなかったので純正品ではなく格安な社外品(サードパーティー)を選びました。

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意外と知られていませんが、社外品でもカメラフラッシュが使用するカメラに対応していればカメラとのデータ連携はできるからです。その際、カメラフラッシュを選ぶときは以下を念頭に置いて検討しました。

  • TTL機能。これがあれば純正品でなくともカメラフラッシュ側が光量調整してくれる
  • 大きさや光量(ガイドナンバー)、バウンス(首振り)は想定目的に合わせる
  • 機動性や運搬を考慮すると、なるべく小さい方がいい
  • 連射に対応するためチャージ時間は短い方がいい

以上の条件でネットの口コミも加味して購入したのがこちらのニッシンデジタルです。大手カメラメーカーのOEMを古くから続けてる老舗。純正品2万円クラスのサイズ、かつ3万円クラスの基本機能を持ち、価格は1万円ほど。無線機能はないけどコスパ最高でした。

ここで本題です。この「連射に対応するためチャージ時間は短い方がいい」は、カメラフラッシュ側の性能が大きいのですが、よりチャージ時間を短くするには適した電池を使うことが重要です

電池といえば、これまでなんとなく大手メーカーのアルカリ乾電池を使い捨てしてきました。ニッケル水素電池やリチウムイオン電池の方がチャージ時間が短くて済むことは知っていましたが、充電の手間や購入コスト、使用頻度からして敬遠してきました。

なぜ充電池の方がカメラフラッシュにオススメなのか。結論から言うと「充電池の方がアルカリ乾電池と比べ、連射しても電圧が下がりにくい(アルカリ乾電池よりも連射できる)」という特性があるからです。

乾電池タイプの充電池としてのニッケル水素電池/リチウムイオン電池の共通点は次の通りです。

  • 適用範囲が広い。基本的には従来のアルカリ、マンガンの代用として使える
  • 温度変化に強い。アルカリ、マンガン、ニッカドなどは寒いとすぐ使えなくなる
  • 自己放電が少ない。放置しても残量が減りにくい
  • メモリー効果が生じにくい。残量アリで追加充電しても性能が落ちにくい

乾電池(二次電池含む)の初期電圧は、アルカリ乾電池は1.5V、ニッケル水素電池は1.2Vです。電圧が足りないと思うかも知れませんが、乾電池を使う電化製品の多くは1.5V~0.9Vで動作するので問題ありません。

では、同じ充電池ならリチウムイオン電池ではなく、ニッケル水素電池がいいと思いますか?答えは「コスパがいいから」です。単三電池タイプのリチウムイオン電池はあります。例えばこちら。

実際に検索して分かるように、どれも4本で3,000円を超えておりリチウムイオン電池は高価格であること。リチウム(化合物)はレアメタルであることから、なかなか安くはならないようです。

さらに言いたいのは大手老舗メーカーの単三電池タイプのリチウムイオン電池が市販されていないことがポイントです。スマホバッテリーでもそうですが、信頼できるメーカー品でなければスペック偽装や耐久性に疑問が生じることが多々あります

つまり、安心して使えて適正価格である。これがニッケル水素電池の強みです。

では、ニッケル水素電池ならどれでもいいのか。安ければ安いほどいいし、大手メーカー品なら耐久性や品質面で安心、というのを大前提として、リチウムイオン電池の選び方に話を進めます。

陰極に水素ガスを用いたニッケル水素電池をNi-H2(ニッケル水素)と呼び、水素化合物(吸蔵合金)を用いるニッケル金属水素化物電池をNi-MH(ニッケルメタルハイドライド)と言います。現在一般化されて「ニッケル水素電池」と呼ばれているのはNi-MHの方となります。本稿ではNi-MHで話を進めます。

リチウム乾電池(リチウム金属電池)は充電ができません。リチウムイオン電池はリチウム化合物を使用してリチウムイオンを作用させることにより充電ができます。

ニッケル水素電池(充電池・二次電池)の選び方

単三電池タイプでも1本で2,400mAhと大容量なニッケル水素電池
単三電池タイプでも1本で2,400mAhと大容量なニッケル水素電池

ニッケル水素電池を選ぶときのポイントは大きく3つと考えます。

  • 電池容量
  • 繰り返し充電回数
  • 老舗の国内メーカー品であること

理由は次の通りです。

電池容量

充電できる電池のことを二次電池と言いますが、スマホやパソコンのバッテリーや、モバイルバッテリーも考え方は同じです。モバイルバッテリーを例に挙げます。

モバイルバッテリーでは、10000mAhなどの「容量」があることはご存じですね。この容量が大きければ大きいほどたくさんの充電が可能です。スマホのバッテリーでも最近では5,000mAhなんて大容量が登場していて、電池持ちがいいと言われています。実はニッケル水素電池などの乾電池型充電池でも同じ事がいえます。

例えばこちらの商品。非常に格安ですが、容量は1050mAhです。


一方でこちらの商品。同じく大手メーカー品で、容量は1900mAhです。値段は少ししか違わないのにおおよそ倍の容量です。


マウスやキーボードなど低電力デバイスを使う場合なら前者でよくても、カメラフラッシュやラジコン、電力消費の大きいデバイスを使用するならどちらがいいか一目瞭然ですね。容量対費用が最初のポイントです。

繰り返し充電回数

多くは500〜1,000回の繰り返し充電が可能と公表しています。ただし特性的には大容量になればなるほど繰返し充電可能回数は減ります。

スマホのバッテリーと同様に、ニッケル水素電池も繰り返し充電を重ねると電池容量は減っていきます。そして繰り返し充電回数を超えた場合、メーカー側が定めた電池容量の基準値を下回ります。したがって繰り返し充電回数は多い方がいいが、やたら多い商品は信じない方がよいでしょう。

老舗の国内メーカー品であること

雑な言い方で申し訳ないのですが、早い話、パナソニックか東芝、FDK(富士通の連結子会社・旧富士電機化学)から選ぶのが無難です。いずれも古くから乾電池を製造販売し、現在では電気自動車のバッテリー(二次電池)まで手がける老舗だからです。

無名で安価なニッケル水素電池は、安物のモバイルバッテリーと同様のトラブルが起こりやすい傾向にあります。

  • 表示されている電池容量が大きいのにすぐ充電出来なくなる。
  • 充電時間がかかる。
  • 繰り返し充電してたらすぐ使えなくなった。

海外メーカー品で「容量が2,400mAhと書かれていたのに計測したら半分しかありませんでした」なんて口コミはよくあります。10,000mAhなのに1,000円くらいで買えてしまうモバイルバッテリーと同じですね。

つまり電池容量や繰り返し充電回数の信頼性がやはり国内メーカー品は違います。海外品でもデュラセルなど世界シェアが高いメーカーならいいのですが、あまり見かけませんよね。

オニオン座が選んだ単3乾電池タイプのニッケル水素電池

結局、オニオン座が選んだのはこちらの東芝インパルスでした。パナソニックのエネループやエボルタと迷いましたが、コスパの高さが決め手でした。詳細レビューは別途書く予定ですが安心して繰り返し使っています。

こちらのインパルスは、さらに高容量となる2,450mAhのものもありましたが、価格がぐんと上がってしまうため、パナソニックの同等商品より安いこの2,400mAhを選びました。

まとめ

充電器は信頼性と価格のバランスが素晴らしいパナソニックのものを買いました。メーカーが違いますが問題なく使えています。
充電器は信頼性と価格のバランスが素晴らしいパナソニックのものを買いました。メーカーが違いますが問題なく使えています。

カメラフラッシュをより効率的に使用するため、二つの充電池(二次電池)について確認しました。

スマホのバッテリーなどで使用されているリチウムイオン電池(正確にはリチウムポリマー電池)の方が性能は上ですが、単三電池タイプでは未熟成であり、かつ価格が高いことからニッケル水素電池が世間で推奨されていることを再確認しました。

ニッケル水素電池も多くのメーカーより売られていますが、使用目的や信頼性などから、パナソニックか東芝の商品のなかから適した容量タイプを購入するのが最も無難かつオススメであることがあらためて分かりました。

海外メーカー品にもまともな商品があるはずですが、「高容量2,800mAhなのに、繰り返し充電回数は1200回」の繰り返し充電が可能」と謳うような中華メーカーが列挙しています。全てがそうと言いませんが、スペック詐称と思わざるを得ない商品があります。ご注意下さい。


以上、最後までご覧くださりありがとうございました。

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