バランス接続イヤホンでハイレゾ!SONY NW-ZX707とfinal E4000の4.4mmリケーブルを使った音質レビュー

最近、ハイレゾ音楽配信サービスに対応したウォークマンNW-ZX707を購入し、さらなる音質向上を目指してハイレゾ対応の有線イヤホン「final E4000(型番:FI-E4DALD)」と4.4mmバランスリケーブルも手に入れました。この記事では、ウォークマンNW-ZX707に最適な有線イヤホンの選び方や音質の比較をご紹介します。

この記事をご覧になれば、ウォークマンNW-ZX707に使用する有線イヤホンの選び方の参考になると思います。

目次

NW-ZX707に最適な有線イヤホン「final E4000」を選択した理由

ウォークマンNW-ZX707は、前機種のNW-ZX507に比べて以下の理由で人気が高まっています。

  • 音楽サブスク配信サービス(AmazonミュージックHDやAppleミュージックなど)がハイレゾで聴ける
  • AmazonプライムビデオやNetflix、YouTubeもDSEE Ultimateによりハイレゾ相当で視聴可能

詳細はこちらのレビューをご覧ください

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というわけで今回、NW-ZX707と相性の良い有線イヤホンを探していて、「final E4000」を選んだ理由は次の4点です。

  1. ハイレゾの周波数帯域に対応している
  2. MMCXコネクタ採用でリケーブルケーブルが豊富
  3. バランス化の実績が多く、ネット上でも評価が高い
  4. リケーブルケーブル込みで2万円程度と手頃な価格

なぜなら、現在メインで使用しているイヤホンとヘッドホンには次のような課題があったからです。

  • final E3000: 普段使いは最高だが、ピュアオーディオ性能は物足りず、リケーブル非対応
  • オーディオテクニカATH-IM04: ハイレゾの超高音域に対応せず、リケーブルによるバランス化が高額
  • ゼンハイザーIE-800S: 音のキャラクターが特殊。ハマれば至高だが、聴き疲れするときがある
  • オーディオテクニカATH-M70x: 携帯性やイヤホン独特の定位感が劣る、リケーブル対応だがバランス化不可

しかし、この価格帯のソニー純正イヤホンはドンシャリでメリハリ強め。まあ買わん。シェアをはじめ諸々物色をした結果、ウォークマンNW-ZX707とfinal E4000の組み合わせでハイレゾ音楽を存分に楽しむことができるのではないかと考えました。

【追記】本稿でご紹介するfinal E4000&4.4mmリケーブルケーブルは、NW-ZX707のあとに購入したドングルDACとも相性バッチリでした。「NW-ZX707は高くて買えないよ」「スマホでE4000を4.4mmバランスで使いたい」という方は以下の記事も参考にして下さい。

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final E4000の商品レビュー&音質チェック

あらためまして、今回購入したfinal E4000がこちらです。

これよこれ。

わが家にfinal E4000が着弾。欲しかったのよ、ずっと。

わが家にfinal E4000が着弾。欲しかったのよ、ずっと。

final E4000の仕様はこちら

ドライバー:ダイナミック
周波数帯域:非公表
インピーダンス:15Ω
音圧感度:97dB/mW
重量:18g
ケーブル長:1.2m

パッケージ内容は、final E4000本体(3.5mmシングルエンドケーブル装着済み)、キャリングケース&カラビナ、イヤピース(SS/S/M/L/LLの5サイズ×1組)、イヤーフックアタッチメント、ケーブル掴み用フィルム?、MMCXアシスト(外し用具)です。

final E4000の同梱内容。ワクワクが止まらない。

final E4000の同梱内容。ワクワクが止まらない。

黄色いやつはMMCXアシストというらしい。文末に使い方を書いておきましたので、MMCXコネクタが外れなくて困っている人はご覧ください。

実はMMCXコネクタのイヤホンを買うのが初めてで、あとでコイツが超便利なツールであることがわかった。

実はMMCXコネクタのイヤホンを買うのが初めてで、あとでコイツが超便利なツールであることがわかった。

しかし、かっこよくて困る。付属ケーブルは太すぎず細すぎず、やや固め。取り回しは普通かな。右側が赤くマークされているので左右が分かりやすいのもいいですね。

写真では分かりにくいかもしれないが、愛用してたE3000より二段階くらい見た目が良くて所有欲も満たされる。

写真では分かりにくいかもしれないが、愛用してたE3000より二段階くらい見た目が良くて所有欲も満たされる。

イヤピースを取ってみた。ほかのEシリーズ同様に耳垢ガードがあります。

汚れが固着する前に、定期的に清掃するとよいです。

汚れが固着する前に、定期的に清掃するとよいです。

うしろから見るとこう。ハニカム的なロゴが嫌いじゃない。

E4000たん、かっこいいよかっこいいよ

E4000たん、かっこいいよかっこいいよ

E3000からのステップアップをされる方もいると思うので、ふたつを並べてみました。こうしてみるとE3000は明らかに安っぽい。実際安いんだけど。

final E3000C(左)と、今回購入したE4000(右)。ケーブルの太さもだいぶ違う。

final E3000C(左)と、今回購入したE4000(右)。ケーブルの太さもだいぶ違う。

 

 

SONY NW-ZX707とfinal E4000の組み合わせでサウンドチェックをするよ

SONY NW-ZX707とfinal E4000の組み合わせって、見た目もいいね。

SONY NW-ZX707とfinal E4000の組み合わせって、見た目もいいね。

さて、音質チェックが気になりますよね。まずは、付属の3.5mmシングルエンドケーブルとイヤピース(M)でそのまま試しましょう。使うデジタルオーディオプレーヤーは、もちろんNW-ZX707。音源はCDからリッピングしたロスレスALAC音源で、DSEE Ultimateをオンオフして比較してみます。もちろん、AmazonミュージックHDのハイレゾ音源も使います。

ただ、これは正式な音質レビューじゃなくて、買ったらすぐに音楽を楽しみたいと思う人向けのチェックです。ダイナミック型ドライバーユニットを搭載したE4000は、最初の音質は最高じゃないのが分かってるので評価対象外です。

公式サイトでは、本製品は小口径で、エージングの変化がわかりにくく、150~200時間の使用で繊細さが増し、設計意図通りの音質になるって言ってます。でも、2、3日も使えば音が変わるでしょう。

ちょっと余談だけど、finalのEシリーズは、耳に深く挿して使ってください。そうしないと、音がスカスカで低音がなく、高音もカッスカスになっちゃいます。このように耳への挿し方が分からず、エージングもせずに買って、「ダメだこれ売ってしまおう」という人がいるけど、ちゃんと使いこなせばすごくいいんです。ただランニングしながらとかだとズレるのでオススメしません。

話を戻して、最初のE4000のサウンドは、スマホ付属イヤホン並でした。使い込んだE3000にも到底及ばない。価格に見合わないがっかりする低音質でした。気を取り直して3日ほどエージングして、週末に改めてサウンドチェックをすることにしました。

エージング後にあらためて聞いてみると、相当いい感じです。当たり前ですがE3000よりも全然いい音がします。色々な音源や設定を変えながら聞いてみると、解像度が高くてディテールもしっかり感じられます。音場感も向上し、ボーカルや楽器の音がクッキリと聞こえます。NW-ZX707の音質設定を変えても、E4000はちゃんとその変化を楽しめるほどの高いポテンシャルを持っていることが分かります

気がついたら2時間ほど色々な音源や設定を変えながら聞き込んでました。

結局、E4000は使いこなせば素晴らしい音質が楽しめるイヤホンです。E3000は5,000円以下のクラスで最優秀だと思っていて、今でもその評価は変わりませんが、NW-ZX707を使うとE3000では限界を感じます。音場の広さや静寂さ、余韻、空気感などを出し切れないので、NW-ZX707の音質設定を変えても、あまり変化が感じられません。でも、E4000ではそんな問題は解消されます。

あとE3000と比較して、解像度の高さが目立ちます。ダイナミック型ドライバーユニットを搭載したE3000/E4000では、超高解像度は期待していませんでしたが、E4000ではディテールの表現力がグッと上がります。細かい音のニュアンスや微妙な音色の変化も見逃さず、音楽の細部まで緻密に感じることができます。

聴感上、E4000の音作りは味付けが少なくて、ドライでもウェットでもない中庸な印象です。低音域はちょっと豊かで、女性ボーカルはも刺さったりピークがあるわけではなく、だいたいフラットな音です。よく8Kあたりを持ち上げて音のカリッカリ感を演出するイヤホンが多いですがその傾向はあまりありません。

そして、NW-ZX707の音場感が向上しました。楽曲によっては、ボーカルは口が小さく、しかし少し前に出ている感覚があります。一方で各楽器の位置と距離感がシャープに感じられるので、相対的により音場の広がりが増し、臨場感を楽しめます。

だから、音楽ソースを選ばずに楽しめるし、女性ボーカルの曲を好む人には特に向いていると思います。

さらに、NW-ZX707の持ち味である音の芯の強さが向上しました。やや重心が下がるというか中低音〜中音あたりに腰が出てきます。しかしボーカルや楽器の音が団子にならず、はっきりとした輪郭を持ち、音楽のダイナミズムを実感できます。ドラムのゴーストやタムもきっちりかつ気持ちよく聞こえます。

最後に、NW-ZX707で音質設定を変更すると、その変化を楽しめるだけのヘッドルームを持っているので、E4000を買って本当に良かったと思えるでしょう。

そしてなにより、NW-ZX707にて音質設定を変更したとき、その変化を楽しめるだけのヘッドルームを持ったイヤホンであることも買って良かったと思える点ですな。

E3000のコスパが尋常でなく良いので、E3000の3倍の音がするかといえば感じ方は人それぞれとしか言えませんが「明らかに良い」「お値段以上」ということは断言できます。

final E4000に4.4mmバランスイヤホンケーブルを接続して音質チェックをしてみた

ここまではE4000付属の3.5mmシングルエンドでの試聴レビューでした。ここからはケーブルを変え、4.4mmバランスで試聴したいと思います。

私が購入したのはこちら。ふつーの安いケーブルです。銀メッキ単結晶銅線の4芯で、1芯あたり91本を編み込んでます。一時期、中華イヤホンにハマっていた頃、このブランドを買っておけば外すことはない、と思ったYinyooのTR4908って一番安いやつ。

YinyooイヤホンケーブルTR4908は高純度単結晶銅に銀メッキ細線という構成から、高音の伸びや解像度感に配慮しつつ低音も痩せることのないバランスが取れた音質であることが期待できました。ただし3,000円そこらで買えるものなので大きな期待はしていませんでした。

どちらかというと解像度高めが好きなので、細線の銀メッキのケーブルを選んでみた。

どちらかというと解像度高めが好きなので、細線の銀メッキのケーブルを選んでみた。

リケーブルケーブルの選び方はなかなか面倒です。高いケーブルを買おうものならイヤホン本体よりも高価になったりもします。イヤホンアップグレードケーブルの選び方については話すと長くなるので別に記事を書きました。そちらをご覧ください。

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というわけで、イヤホンケーブルを交換します。ネジのように回すのではなく、単純に引き抜くわけですが、MMCXコネクタは固い。特に一回も脱着をしたことのないやつは相当固い。考えもなしに外そうとすると端子を破損してしまうので注意が必要です。

ケーブルが抜けたら、新しく買った4.4mmバランスケーブルを差し込みます。刺さったなと思っても若干隙間があるので押し込むとカチっと音がします。これでOK

4.4mmのイヤホンジャックコネクタへケーブルを挿し、準備ができました。聴いてみます。

なるほど。。違うもんだね。いいね。うん。

ますます、低音から高域まで安定感が増しています。単に音が大きくなったわけではなく、この部分の抜けが良くなったことでそのように感じられるのかもしれません。さらに、低音がより深く響くように聴こえるようになりました。これは後述のように3.5mmと4.4mmではアンプが異なることもありますが、たしかな恩恵です。

一方で、中高音から高音にかけては細くなったり抜けが悪くなったりすることはなく、逆に自然さと解像度が若干向上しています。このような音域のバランス変化は不自然でなく、私の好みの女性ボーカルやフュージョン、小編成ジャズをさらに心地良く聴かせてくれるものとなっています。

そして、これらの要素が総合的に作用し合うことで、ディテールの表現力や空気感も変わってきています。別の記事で述べたように、NW-ZX707が奏でる音の余韻が素晴らしいもので、それがさらに美しく自然に感じられるようになりました。

ただ、これらの音質向上は4.4mmバランスケーブルに変更したことだけが原因ではありません。

デジタルオーディオプレーヤー全般とは言いませんが、バランス出力には次のような違いがあります。

・通常の3.5mmアンバランスでは、左右のGND(アース)が混ざっていますが、バランスでは左右が独立しています。そのため、ピンが4つ以上に分かれています。

※3.5mmアンバランスではGNDがひとつの極へ混ざることから、3.5mmシングルエンドとも言います。

・アンバランスでは左右2つのアンプが動作しますが(NW-ZX707などの機種では左右独立アンプ)、バランスではさらにプラス側とマイナス側で別々のアンプが動作します(NW-ZX707などの機種では、左右独立でプラスとマイナスも独立し、合計4つのアンプが動作します)。

つまり、バランス出力では、電気的に押し引きを同時に行うことで、イヤホンなどの外部機器への制動力を高める効果があります(同時にノイズを低減する効果もあり)。だから効率が上がるので、一般的なDAPではバランス出力の方が高出力となることが多いのです。

今回購入したリケーブルケーブルは、3,000円程度のエントリークラスですが、実際にイヤホン愛好家から最も売れているケーブルは1~2万円前後のものだと思われます。高品質のケーブルを使うことで、さらに音質が向上することを考えると、DAP沼・イヤホン沼でとどまらぬケーブル沼へ突入します。

まとめると、バランスケーブルへの変更は、音質の向上や音域のバランス変化に寄与しています。また、バランス出力の特性により、外部機器への制動力が向上し、よりクリアで自然な音質が得られることが期待できます。しかし、ケーブルだけではなく、デジタルオーディオプレーヤーの性能も大きく影響していることを忘れてはいけません。それに、高品質なケーブルを使うことでさらなる音質向上が期待できるため、音楽愛好家にとってはケーブルの世界も興味深いものであることでしょう。

 

余談:MMCXコネクタがなかなか外れなくて困っている人へ

この記事をご覧になる方は細かい説明はいらないと思いますが、MMCXコネクタ搭載のイヤホンを初めて買う方へひとつだけお伝えします。

リケーブルするときに当然イヤホンからケーブルを抜くわけですが、MMCXコネクタは相当固くて外せないかもしれません。左手で本体を持ち、右手の腹を支点にして指先を伸ばすようにすると外せる、と言われたりもしますが慣れないと大変です。というか私も無理でした。

そんでこのfinal E4000にも付属していたMMCXアシストが登場。片手はイヤホンとケーブルの継ぎ目をつかみ、もう片手はケーブルのコネクタ部分を掴み、ケーブル方向へまっすぐ力を入れていきます。間違ってもケーブル部分を掴まないように注意してください。

後になって調べたら、MMCXアシストは単品販売もされていることが判明。みんな困ってるんですね。。

 

まとめ

実際に買ってみてfinal E4000のコスパの高さを再認識。全力でオススメしたい。

実際に買ってみてfinal E4000のコスパの高さを再認識。全力でオススメしたい。

final E4000というイヤホンの素晴らしさと、ウォークマンNW-ZX707との相性の良さについてご紹介しました。あわせて、E4000を4.4mmバランスケーブルへリケーブルしたとき、それらの長所と持ち味が順当に伸び、さらに素晴らしいものになったことが確認できました。それも最小限のコストで実現できました。

つまり、NW-ZX707とE4000を買って良かった、と思える最高の組み合わせでした

前半でも言いましたが、E4000と安い4.4mmバランスケーブルを両方買っても約2万円。もちろん音の好みは皆さんそれぞれとは思いますが、個人的には相当お買い得に思えます。

実は本稿の大半を書き終えてから、このまとめを書くまでに忙しくて2ヶ月ほど経ってしまっています。その間もすっかり気に入って使っています。DAP・イヤホンともにエイジングも進んでいるためか、日々、音に発見があって楽しい毎日です。

それでは今回ご紹介したアイテムを振り返ります。今回購入したfinal E4000がこちらです。

そしてE4000を買うきっかけをくれた最新のAndroid12搭載のウォークマンがこちら。

今回購入したYinyooの4.4mmバランスケーブルがこちら。ぜんぜん良かったけど、予算がある人は10,000円台のもっと良いのを買ってみても面白いと思います。

 

以上、最後までご覧くださりありがとうございました。ブログ「オニオン座」がご案内しました。

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