新発売!ソニーのVLOGカメラ「ZV-E10」を買うべき理由とAPS-Cミラーレスカメラ「α6100」「α6400」の違い

この記事では、先日発売されたソニーのVLOGカメラ「ZV-E10」について、これからVLOGをしたい方や、初めてデジタルカメラを買う方に分かりやすいよう特徴をご紹介します。またオニオン座のようにカメラ好きな人がZV-E10を買うべきかも理由を紐解きます。

同社初の「α」を冠したVLOGカメラであることから分かるように、「ZV-E10」は従来のAPS-Cミラーレスカメラ「α6100」「α6400」をベースモデルにしたようにも見えますが、「α6100」よりも優れた機能がありながら「ZV-E10」の方が安いことがしばらく謎でした。調べていく内に違いが分かりましたので、その違いを確認していきます。

目次

新発売!ソニーのVLOGカメラ「ZV-E10」を買うべき理由とAPS-Cミラーレスカメラ「α6100」「α6400」の違い

そもそもVLOG(ブイログ)とは何か

「ブイログ」とはブログの動画版なのですが、動画のみのブログを作るのとは少し違います。YouTubeなどの動画配信サイトへ日々の生活で気づいたことなどをアップしていきます。動画配信者と違い、再生回数を増やすために奇抜な企画を考えたり、凝った編集をしたりは特にせず、あくまで生活のありのままを動画撮影して、載せるものと言われています。

編集をほとんどしない前提となるので「画質くらいは良くしたいよね」ということでいわゆるビデオカメラなんかよりも、綺麗で背景もボケたりするデジタル一眼カメラをVLOGで使う人も増えました。しかし動画機能の優れたデジタル一眼カメラとなると、いわゆる上級機種に限られていたので敷居が高いものでした。

そこでソニーが繰り出したのが、デジタルカメラの撮影機能を簡略化し、動画撮影機能を強化したVLOGCAM(ブイログカム)シリーズでした。その一段として発売されたのが、1型センサーというスマホなんかと比べものにならないほど撮影センサーの大きいRX100系をベースにしたVLOGCAM ZV-1Gでした。※ZV-1はアクショングリップ無しモデルです。

撮影センサーが大きいと画質が鮮明なだけでなく、暗い場所でも綺麗に撮影できます。SONY ZV-1Gは人気モデルとなったのですが、パナソニックのDC-G100Vという強敵がいました。本体はマイクロフォーサースという規格で、1型センサーより大きくそして手ぶれにも強く。SONY ZV-1Gより少しかさばるもののレンズ交換もできる。そして少しこっちの方が安い。初心者に使いやすい機能も多く、オニオン座的にも評価が高いです。

で、腹を立てたソニーが本気を出しました。マイクロフォーサースよりセンサーが大きい(=綺麗で明るく撮れる)、APS-CフォーマットのカメラをVLOGカメラとしてリリースすることにしたのです。それも、SONY ZV-1GやDC-G100Vよりも大幅に安い値段でです。それが本稿の主役である「ZV-E10」です。

新製品でありデジタル一眼カメラであるZV-E10の方が、高級コンデジをベースにした先発品SONY ZV-1Gよりも安いということは不思議ではあります。前者の方がスペック的にも、間違いなく映りの良さも優れているからです。しかしSONY ZV-1Gはとにかく小さくて軽く、F1.8スタートという明るいカールツァイスレンズも搭載しています。

早い話、本稿の内容が全くちんぷんかんぷん、という方はSONY ZV-1Gがオニオン座的にはオススメです。さらに上を目指したい方は、是非、ZV-E10を試してみて欲しいです。

 

従来機と比べるための「α6100」「α6400」のスペック上の違い

デジタルカメラ界隈ではソニーが無双していますが、さらに他社を引き離す勢いでリリースするのが、VLOGカメラ「ZV-E10」です。
以前からソニーは、1型センサーを搭載したRX100系がベースモデルのVLOGカメラZV-1を発売していますが、今回リリースされるのはそのZV-1の上位機種に相当します。

まずは「ZV-E10」の価格対性能が妥当かを確認するために、従来のαシリーズであり間違いなくベースモデルでもある「α6100」「α6400」との違いから整理します。「α6100」と「α6400」で比べると「α6400」は上位機種となります。※ハイエンドの「α6600」は違いすぎるので比較対象外とします。

話がブレるので大まかに済ませますが、一般の方はカタログスペック表の意味が分かりにくいと思いますので要点をまとめています。
※以下★はオニオン座的な注目ポイントとしています。

スペック上「α6100」より「α6400」の方が優れている点は次の通りです。

・センサーのチリホコリを取る機能が優れている。「帯電防止コートおよび超音波振動によるアンチダスト機能」がある。
・クリエイティブスタイル(撮影時に色やコントラストをアレンジ出来る)が少し多い。
★静止画撮影も動画撮影もピクチャープロファイルが使える。S-LogやHLGなどプロが使うヤツに対応している。
★動画に対しても瞳AFに対応している。
・フォーカスエリアやフォーカス位置の設定項目が多い。
・測光モードの設定項目が少し多い。画面全体平均測光、ハイライト重点測光など。
・露出ブラケットの枚数と露出幅が少し広い。α6100は5枚2/3EVステップだが、α6400は9枚1.0EVステップ。
・電子式ビューファインダー(EVF)の画素数が細かい。144万→235万
・電子式ビューファインダー(EVF)のフレームレートが設定可能。STD 60fps / HI 120fps
・連続撮影可能枚数が少し多い。JPEG Lサイズ エクストラファイン:76枚に対し、同99枚

逆にスペック上「α6100」の方が優れている点は次の通りです。
・バッテリーの持ちがわずかに良い。
・本体重量が7グラム軽い。

逆にα6400よりα6100の方が優れている部分はこれといってありません。

以上から、「α6100」「α6400」の違いをまとめると次の通りです。

写真を撮るだけなら、どちらでもほぼ変わりは無い。センサーも撮影機能も同じと言っていい。
・静止画撮影にて緻密なピント合わせをマニュアルフォーカスで行いたい人や、スポーツなど動体写真を多く撮影する人は「α6400」がオススメ。
・動画撮影についても普通に撮影する分にはほぼ変わりは無いが、ピクチャープロファイルなど高度なことを使いたい人は「α6400」がオススメ

こんな感じだったので、動体写真も本格的な映像制作もする予定がなかったオニオン座が選んで買ったのは「α6100」でした。これはこれですごく良いカメラでした。

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なぜ、「ZV-E10」は安いのか?「α6100」とのスペック上の違いで明らかになった

繰り返しになりますが、ベースモデルの「α6100」「α6400」よりも優れた機能がありながら「ZV-E10」の方が安いのはなぜか。「ZV-E10」は価格的にも機能的にも「α6400」より「α6100」の方が近いので、これら両機で同じように比べてみます。

スペック上「α6100」より「ZV-E10」の方が優れている点は次の通りです。

★★内蔵マイクが優れている。
★静止画撮影にて、タテヨコ比を[1:1][4:3]も設定可能。これはα6400にもない。
★動静止画撮影も動画撮影もα6400と同等のピクチャープロファイルが使える。
★動画撮影でもピクチャーエフェクトやクリエイティブスタイルが使える。これはα6400にもない。
★瞳AFは動画でも使える。ただし動画は動物の瞳には非対応。
★フォーカスの設定にて、AFトランジション速度 (動画)、AF乗り移り感度 (動画)が可能。
・測光モード設定が少し多い。ただしα6400よりは少ない。
・メカシャッター / 電子シャッター を搭載。これはα6400にもない。
★★★★★動画撮影において、アクティブ手ぶれ防止が使える。これはα6400にもない。
・セルフタイマーの設定項目が多い。
・連続撮影可能枚数が少し多い。α6400よりもわずかに優れる。
・本体重量が53グラム軽い。
★USB Type-C(USB 3.2準拠)に対応。α6100/6400はMicro B端子。
★★★ヘッドホン端子を搭載。これはα6400にもない。

α6100の写真。α6100/6400はUSBはMicro端子で、マイク端子はあるがイヤホン端子がない。

α6100の写真。α6100/6400はUSBはMicro端子で、マイク端子はあるがイヤホン端子がない。

すごくないですか?基本機能が同じで「ZV-E10」の方が優れまくりで、それでいて「α6100」より「ZV-E10」の方が安いんです。

で、オニオン座はここを最大に悩みました。なぜ機能が優れている「ZV-E10」の方が安いのか。

逆にスペック上「α6100」の方が優れている点、言い方を変えれば「ZV-E10」の弱点は次の通りです。

★内蔵フラッシュ(ストロボ)がない。→動画撮影が暗かったら外付けLEDライトをつけましょう。
・静止画撮影にて、RAW+JPEGの記録品質モードが少ない。→あるにはあるから十分。
・静止画撮影にて、ピクチャーエフェクトにて、ミニチュアとイラスト調での位置設定が少ない。→いらん。
・静止画撮影にて、クリエイティブスタイルやオートHDRの設定が少ない。→あるにはあるから十分
★動画撮影にて、AVCHDフォーマットに非対応。XAVC Sのみ。→微妙だぜ?
・動画撮影にて、音声記録方式が LPCM 2chのみ(XAVC Sのみのため)。
・フォーカスエリアの設定項目が少ない。
★電子式ビューファインダー(EVF)がない。

大事なことなので、もう一度言います。

「ZV-E10」には、電子式ビューファインダー(EVF)がありません。

ソニーのミラーレスVLOGカメラ「ZV-E10」がオススメな人は?

オニオン座の独断と偏見となりますが、どんな人に「ZV-E10」がオススメか判断したいと思います。
仕様的には上記でお分かりのように、動画機能が向上している一方、静止画機能が若干減っています。

これには、買う側の状況によるので、、、

こんな人は、ZV-E10よりもα6100がオススメ

*初めてミラーレスカメラを買う人で「スマホやコンパクトデジカメよりも綺麗に撮りたい」「写真がメインだが、たまに動画も撮りたい」という人

コメント:
・内蔵フラッシュがないので、さっと取り出して使うには不便があるかも。ただし暗所でもどうにか撮れるので一般の人が使う範囲では問題無いかな。。
・動画フォーマットがソニー独自の「XAVC S」のみであることが超初心者に扱えるかが重要。パソコンでAVCHDやMP4に変換できるスキルがあればいいが、なければ他人との動画共有が難しい。

こんな人は、ZV-E10がオススメ

*ミラーレスカメラを使っている(又は使っていた)人で「動画をメインに撮りたい」「VLOGを楽しみたい」という人

「ZV-E10」は買い。品切れになる前に買った方がいい。

コメント:
・基本的な使い方が分かる人であって、「XAVC S」の扱いを調べてなんとかなりそうな人であれば、α6400並の高画質機能と、脅威のアクティブ手ぶれ防止機能、そして高音質な内蔵マイクを使って、色んな所に連れ出しちゃってください。
・「XAVC S」

*既に、α7IIIやα7cなどフルサイズミラーレスカメラを持っているが、サブカメラとして「ZV-E10」を検討している。

→「ZV-E10」は買い。品切れになる前に買った方がいい。(本日2回目)

コメント:
・画質はもちろんフルサイズに分があるが、アクティブ手ぶれ防止機能が異常。手持ちのEマウントフルサイズレンズも使えるし、逆に「ZV-E10」のためにAPS-Cレンズを買ったとしても、フルサイズカメラの方でAPS-Cモードにて使用可能なのでムダにはならない。
・スナップや小旅行なら小さくて軽い「ZV-E10」が楽だし、それなりの写真は普通に撮れる。
・ピクチャープロファイルが使える動画カメラとなると普通は高価。α6400も対応しているが手ぶれが弱い。

 

まとめ

大注目のソニーのVLOGカメラ「ZV-E10」は、他の同社APS-Cミラーレスカメラと遜色ない機能を持っているおり、「αシリーズ」の名に恥じないことが分かりました。我が家のα6100を安心して売り飛ばし、ZV-E10を買うこととしました。

静止画撮影機能については若干の省略があるものの、アクティブ手ぶれ防止機能や高品質な内蔵マイク、イヤホン端子搭載、そしてピクチャープロファイルなどに対応にしていることから、VLOGはもちろん、動画を常に撮影していたい人に全力でオススメできるカメラです。

動画撮影するつもりが「静止画も撮って」とリクエストされたことのある方も多いでしょう。そうしたときもちゃんと撮れるのがすごい。これはGoProなどのアクションカメラなどではムリな芸当です。

昔からカメラ好きだった人からすれば「EVFをなくすなんて、思い切ったことをするなあ」となるのですが、ミラーレスカメラが出た頃はEVFなんて高級機種しか実装されていませんでしたからね。どうしても撮影直後のチェックをしたい人は、HDMIマイクロ端子も搭載していますので、プレビュー用に小型モニターを付けることもできます。

最後に、今回ご紹介したアイテムをふり返ります。オニオン座も購入予約したZV-E10がこちら。レンズ無しキットとの価格差はすごく小さいので小型の標準レンズ付きがオススメです。この標準レンズはモーターでズームしますので動画撮影に向いています。

ZV-E10を買う方や、すでにα6100/6400をお持ちで動画撮影に適したレンズをお探しの方へ全力でオススメしたいズームレンズがこちらのSELP18105Gです。F4固定の18-105mm(35mm換算 約24-150mm)で静かな電動ズーム。インナーズームで長さも変わらず、ソニーが認めたGレンズでありながら爆安価格。Youtubeなどでも「神レンズ」と紹介され、会社のカメラ仲間(動画撮影好き)も買って感動してました。

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以上、最後までご覧下さり誠にありがとうございました。

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