人生で初めてGoogle Pixelを購入した。それもPixel 9 Pro XLという最上位機種だ。これまで長年愛用していたソニーのXperia 1Ⅱからの乗り換えだが、結論としては後悔は一切なく、むしろその使い勝手や機能性の高さに大変満足している。
直近使用していたXperia 1Ⅱは約4年前のモデルであり、性能面やデザインに限界を感じ始めたタイミングでの買い替えだった。Xperia 1 Ⅵと悩んだが約20万円は捻出できず、数万円安かったPixel 9 Pro XLを選択したのだ。
本記事では、Xperiaから買い換えた者の視点から、PixelとXperiaの違いを画面やカメラの特性に加え、OSサポート期間などの面からも掘り下げ、Pixelへの買い替えをお勧めする理由を紹介する。
画面アスペクト比の違いと視認性

Pixcel 9 Pro XL と Xperia 1Ⅱを並べてみた。こうしてみるとXperiaの細さが目立つ。
PixelとXperiaの最も顕著な違いは、画面サイズそのものではなくアスペクト比(縦横比)にある。
Xperiaは縦長のディスプレイ設計で、ウェブ閲覧やSNSをするときは便利だが、その一方で動画鑑賞時には縦方向に余裕がなく、実際に表示される情報量が制限されがちである。画面サイズに比して動画や写真の表示が小さくなるのだ。
手が小さい方にとってはこの細長いボディが持ちやすいなどのメリットもたしかにある。しかし老眼が気になってきた筆者にとっては、少しでも大きく表示してほしいのだ。
これに対して、Google Pixelは横幅が広く設計されており、同じインチ数でも実質的な表示領域が広い。そのため、写真撮影や動画視聴、さらにはメールやドキュメントの閲覧時に、Xperiaと比べて大きく見える。
この違いはなにもPixelにかぎったことではないのだが、Pixelではさらに画面の大きいXLというバリエーションがあったため、Pixelを選ぶ大きなポイントの一つとなった。
カメラ機能と撮影体験の進化
PixelとXperiaのカメラ機能には明確な違いがある。これには正直驚いた。
Xperiaの純正カメラアプリは、さすがデジタルカメラαシリーズで名をはせているソニーらしく、シャッター優先や露出優先など、撮影者が自分好みに設定できる。そしてiPhoneやほかのスマホと比べても味付けのない自然な写真が撮れることは、カメラ好きの筆者にとって評価が高い。
その反面、SNSにアップするときに欲しい「撮って出し写真」を綺麗に撮るのが意外と難しい。リアルで自然な写真が撮れるという長所が裏目となり、逆にぱっとしない印象を与える写真が多かった。暗所撮影でもXperiaは欲張りした画像処理をしないため撮れないことが多かった。
対して、Google Pixelの純正カメラは、撮影時に自動で最適な露出やシャッター速度、色温度を設定し、撮影後にも画像処理で美しさを引き出す。特に目を引いたのが、オートモードでの追従の早さだ。確実にそれなり以上の写真が撮れるようめまぐるしくシャッター速度や色温度を変幻自在に変えてくれる。暗所も優れた画像処理によって明るく撮ってくれたりする。そのため、ちょっとしたスナップショットをすばやく撮りたいシーンでは、Pixelが圧倒的に便利と感じた。
ただし、被写体や背景によっては急激な色温度の変化が生じる場合もあり、同じ被写体を撮影しているのに大幅に色温度が変わるなどカメラ好きとしては使いにくいところもある。そのためマニュアルモードへの切り替えが必要となることもあるが、普段使いではPixelの方が恩恵が大きいと感じた。
OSサポートとアップデートの安心感
Pixelのもう一つの大きな魅力は、Google直轄のOSサポートとアップデート体制である。
Xperiaは各メーカー独自のカスタマイズが施されるため、最新Androidへのアップデートが遅れることも多い。Android OSアップデートはXperia 1Ⅵ以降は最大3回、それ以前の機種は最大2回となる。例えばXperia 1ⅥはAndroid14でリリースされたためAndroid17で打ち止めとなる。他社スマホもだいたいこんなもんだろう。
一方、Google Pixelは発表から最大7年(Pixel7以前は5年)にわたり、最新のAndroidバージョンおよびセキュリティパッチが迅速に提供される。これにより、常に最新の機能や安全性を維持できるのは大きなメリットだ。例えばGoogle Pixel 9 Pro XLはAndroid14でリリースされたためAndroid21まで上げられる。
長期間安心して使いたいユーザーにとって、OSサポート期間の長さは決定的な要因となる。高騰するスマホ価格も長く使えるなら1年あたりの費用も割安となることもPixelへの買い替えの際に見逃せないポイントになるだろう。
その他の違いとユーザー体験
PixelとXperiaは、デザインや機能面でそれぞれに特徴があるが、細かなユーザー体験にも違いが見られる。
Xperiaは、写真も動画もデジタル一眼レフカメラのサブカメラとして活躍できるほどの高いポテンシャルを持っている。またサウンド面でもウォークマン譲りの高音質で、DSEEなどの高音質機能を含めれば他社スマホから頭一つ抜けるほどである。とはいえウェブ閲覧の次に多いであろう撮影については、上記の通りカメラ好きでなければ使いこなせないかもしれない。
対して、Pixelはシンプルな操作性を重視しており、誰でも手軽に失敗しない写真が撮れるよう工夫されていると筆者は感じた。また、Googleのサービスとの連携もスムーズで、クラウドバックアップやAIによる写真補正など、日常の使い勝手に直結する機能が豊富に搭載されている。これら他社Androidスマホでも可能な機能は多いが、そのなかでもPixelはGoogleサービス親和性が高く、iCloudと連携しやすいiPhoneのイメージで使える。
こうした点は、普段の利用シーンでの満足度を大きく左右するのではないか。ユーザーとしては、細かい設定よりも「すぐに美しい写真が撮れる」という手軽さに大いに魅力を感じる。
結論:今すぐGoogle Pixelへ買い替えを!

詳しい Pixel 9 Pro XL のレビュー記事は近日アップします
以上のように、画面アスペクト比、カメラ機能、OSサポートなど、多角的な面から見ると、Google PixelはXperiaに比べて明らかに使い勝手が向上している。日常の閲覧性や撮影の利便性、さらには長期的なセキュリティアップデートの充実といった点で、Pixelの魅力は一層際立つ。
スマートフォンの性能と使いやすさのバランスを重視するなら、今すぐGoogle Pixelへの買い替えを真剣に検討する価値がある。快適なユーザー体験と最新機能の恩恵を受け、次世代のスマホライフを楽しんでほしい。