中華USB-DACで、音がぶつぶつ途切れる原因はパソコン側にあった?

「中華USB-DACを買ってパソコンに接続したら、音がぶつぶつ切れて使いものにならないわ!」

「まともに曲聴けない!また外れか?中華オーディオはこれだから嫌いだ!」

という声をよく聞く。筆者も先日経験したばかりで、直し方を調べながらこうしたクチコミを多く目にした。

たしかに中国メーカー&中国製のオーディオ機器は初期不良は多くて故障もしやすい傾向があるのは、もはや事実と言っても差し支えないだろう。だがコスパの高さは異常であり、筆者はこれからも買い続けるだろう。

そして、はっきり言おう。

USB-DACで音が途切れる原因は、中華USB-DAC側ではない可能性が高いのだ。

目次

中華USB-DACの音がぶつぶつ途切れる原因

たしかに中国製のこうしたオーディオ製品は、国内外の大手メーカー製と比較すると製造精度は低いだろう。

なぜなら、安いから。

通常、電気製品というのは、電源電圧が多少低くても、通信や電源にノイズが含まれていたとしても、ある程度のブレ幅は許容して動作するよう設計されているものである。

こうした「ブレを許容する」ためにはコストをがかかる。パーツ自体を良質なものを使用し、ケーブル一本だってノイズシールドに優れたものを採用する。もちろん回路設計時点でブレを前提として多少は許容できるよう製造されているのが一般的だ。

PCパーツや機器同士での「相性問題」は、このブレが許容ができないもの同士の組み合わせで生じやすいと考えられる。

ついでに言えば、稼働中にケーブルを抜いたり、デジタル入力をUSBから光に変えたりするなどした場合にポップノイズなどが出ないよう配慮する仕組みも大手メーカー品は充分考慮しているようだ。

しかし中華USB-DACは違う。よく言えば合理的すぎる作りをしているため「問題なければ動く」を目指しているように思う。それはなぜか。

なぜなら、安いから。(2度目

なのである。そもそも機能的な許容やバッファを求めてはいけないのである。

そろそろわかってきただろうか。入力側デバイスである中華USB-DACに期待してはいけないのだ。その代わり、出力側である再生デバイス(パソコンやスマホ)がしっかりしていれば、きっと中華USB-DACも満足に機能してくれるはず。これくらいの割り切りが必要なのである。

よって、出力側デバイスであるパソコンやスマホ、そしてこれらを仲介するケーブルにまずは着目をすべきなのだ。この考えに沿えば、パソコン側の設定で、「適切なドライバを使用する」「USBが節電設定になっていないかを確認する」などは当然だ。

しかし、実はパソコン内蔵USBポート(ボード)には外部機器との相性があまりよくないものも存在する。例えば内部的にUSBハブが内蔵していることがあり、一部のポートで動作不良を起こしやすく差し替えると治ることがあるのだ。

パソコン設定が問題なく、ケーブルも挿すポートを変え、何本か交換しても改善が見られないのなら、早い話、、、

パソコンを変えてみたら?

という話になるのである。暴論に思えるかもしれないが、最近、実際に筆者はこれを経験したのだ。

Intel 第10世代のi5ノートパソコン(DELL VOSTRO3590)から中華USB-DAC(SMSL M300SE)へUSB接続をしたが、音はぶつぶつ切れ、全く産廃状態であった。設定を見直し、ドライバを入れ直し、ケーブルを交換し、USBポートも全て試した。でもダメだった。

ところが、だいぶ古い第6世代のi5 ノートパソコン(レッツノートRZ6)と、ほぼ最新の第13世代のi5ノートパソコン(DELL Inspiron13)で試してみたら、純正ドライバを入れただけでケロっと問題なく再生できたのである。

本当に正確な原因はわからない。ハードウェアかソフトウェアか、単なる個体差か何なのか分からない。しかし3台中2台で問題なかったとなると、中華USB-DACが一方的に悪者とは言えないのである。だから、

パソコン変えてみたら?なのである。

USB-DACの音の途切れ問題の解決に向けた切り分け方法(参考)

上記、パソコンを変えれば?と元も子もないことを単に言われても、多くの方は困るはずである。そこで少し丁寧に原因究明と解決方法を提案する。

1.パソコンの設定を確認する。

・USB-DACメーカーの推奨ドライバ最新版をインストールする。
・デバイスマネージャでUSB周りの設定を見直す。
・PCのデバイスドライバを最新にする。
PCの設定にて「オーディオの強化」または「オーディオ機能拡張機能」を無効にする。

設定>システム>サウンド 該当DACをクリックして、プロパティを開き「オーディオの強化」をオフにする

または

設定>サウンド>サウンド詳細設定 該当DAC開く スピーカーのプロパティ>詳細タブ>信号の拡張設定>オーディオ機能拡張を有効にするチェックを外す

以上でソフトウェア的な解決は以上となる。概ねこれで問題は解消するだろう。それでも解決できないなら次項以降を試す。

2.挿しているUSBポートを変える

前述のように同じUSBポートに見えて内部的に異なる場合がある。USB3.x対応ポートよりUSB2.0の方がいい場合だってある。

3.USBケーブルを変える。

もし複数のUSBケーブルを所有しているなら交換する。ダメなら「1.」を行う。ポート同様に、USB3.xの最新ケーブルが必ず良いというわけではない。

なお「オーディオ用」「DAC用」として販売されているUSBケーブルは、たしかに割高ではあるが品質が高い(電気的に優秀)傾向にあり、余裕があるなら使った方がよい。ただし5,000円を超えるような高価なものは不要なのでこのへんで充分と筆者は思う。

4.パソコンを変える

もし複数台のパソコンを持っている場合は、パソコンを交換してみる。純正ドライバを入れて再生に問題なければUSB-DAC側に大罪はなく、最初に試していたパソコン側に原因がある。そして故障や設定ミスなどでもなく、一種の相性問題かもしれないとわかる。ダメなら「2.」「3.」を実施する。

それでも音の途切れが治らないなら伝送方法を変える

スマホ対DACでは難しいかもしれないが、パソコン対DACなら別にUSBケーブル接続にこだわる必要は無い。DAC側に光デジタル(OPTICAL・TOSLINK)や同軸の入力端子があるなら、そっちなら改善の可能性はあるのだ。以下、光デジタルで説明しよう。

そもそも、ほとんどのパソコンにはデジタル出力端子はないため、変換アダプタを使用する。USBからのデジタル信号を光デジタル信号へ変換し、DACへ届けるのだ。デジタルからデジタルへ変換するのでDDコンバータ(DDC)などとも呼ばれるものである。接続イメージは次の通りだ。

「パソコン(スマホ)」⇒⇒⇒(USBケーブル)⇒⇒⇒「USB→光変換アダプタ」⇒⇒⇒(オーディオ用光ケーブル)⇒⇒⇒「DAC」

DDCアダプタは非常に安価で販売されており、筆者はこの FX-AUDIO- FX-D03J を所有して適宜使用している。上限が96KHz/24bitで192KHzに対応していないが安定動作している。

筆者は所有していないがこうした超小型の変換アダプタなら、スマホからでも使いやすい。

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